道民森づくりの集い2023報告 - 2023.11.13 Mon
10月22日にサッポロさとらんど にて「道民森づくりの集い2023」が開催され、木育ファミリーは展示、物品販売で参加しました。

当日は交流館とセンターの二箇所の会場に分かれ、昨年オープンした『食育✕木育』キッズコーナーがある、さとらんどセンターの一階では、木育マイスターによるワークショップも行われました。
木育ファミリーからも会員が木育マイスターブースに出展、ワークショップの“木のツリーづくり「森の中の私のお家」”では、参加してくれた子供達みんなが真剣に取り組み、出来上がった作品を笑顔で持ち帰っていたとのことでした。

さとらんど交流館では19団体が参加して、展示、販売、体験などでにぎわいました。
木育ファミリーのブースでは、木育グッズやパネルの展示、感触や見た感じで選んだ木のたまごで木育占いを楽しんでもらったり、狭いブースの中でちょっと無理やり木育クリケットも設置。


販売品は「木のたまご」、会員が製作した「ブンブンごま」や「木のお家」など。中でもブンブンごまは、今年も子どもたちに好評で、皆さん購入したその場で作り方を教わりながら組み立てて楽しく遊んだり、中には材料があるからお家で作ると言って写真を撮って帰った頼もしいお母さんもいました。

当日は、寒空の下「道民ひとり1本植樹・育樹運動」キックオフイベントも開催され、鈴木知事も来ていました。

会場に来てくださったみなさんが、木育を通して何かしら体感してくれていたらいいですね。
あれも木育、これも木育!

当日は交流館とセンターの二箇所の会場に分かれ、昨年オープンした『食育✕木育』キッズコーナーがある、さとらんどセンターの一階では、木育マイスターによるワークショップも行われました。
木育ファミリーからも会員が木育マイスターブースに出展、ワークショップの“木のツリーづくり「森の中の私のお家」”では、参加してくれた子供達みんなが真剣に取り組み、出来上がった作品を笑顔で持ち帰っていたとのことでした。

さとらんど交流館では19団体が参加して、展示、販売、体験などでにぎわいました。
木育ファミリーのブースでは、木育グッズやパネルの展示、感触や見た感じで選んだ木のたまごで木育占いを楽しんでもらったり、狭いブースの中でちょっと無理やり木育クリケットも設置。


販売品は「木のたまご」、会員が製作した「ブンブンごま」や「木のお家」など。中でもブンブンごまは、今年も子どもたちに好評で、皆さん購入したその場で作り方を教わりながら組み立てて楽しく遊んだり、中には材料があるからお家で作ると言って写真を撮って帰った頼もしいお母さんもいました。

当日は、寒空の下「道民ひとり1本植樹・育樹運動」キックオフイベントも開催され、鈴木知事も来ていました。

会場に来てくださったみなさんが、木育を通して何かしら体感してくれていたらいいですね。
あれも木育、これも木育!
木育の種、咲かせた花〜第8回 木育の本 - 2023.10.15 Sun
2008年に『木育の本』刊行
~数多くの人たちに、木育を理解してもらうために企画・刊行~
『木育の本』(煙山泰子、西川栄明、北海道新聞社)が刊行されたのは2008年秋。木育という言葉が生まれて4年目のことだった。
当時、私は木育ファミリー会員になっていたが、漠然としか木育のことを理解していなかった。会員になったのも、取材で知り合った木工デザイナーの煙山泰子さん(当時、木育ファミリー代表)からのお誘いがあり、お付き合いで入会したというのが正直なところだった。『北の木仕事』『北の木と語る』など木に関連する本を上梓していたが、私にとっては、木育の概念を消化しきれていないというモヤモヤ感をずっと抱いていた。

刊行のきっかけは、
木育関係者が呟いた言葉
そんな折、札幌で開催された森林・木材関係のイベント会場で、知り合いの道庁水産林務部職員(木育推進プロジェクトチームメンバー)から「西川さん、木育の本を出せませんか…」というようなニュアンスの言葉がぼそっと発せられた。当時、木育について、わかりやすく説明してくれる本は見当たらなかった。道庁や木育ファミリーが発行するパンフレット類はあったが、それを読んでもすんなりと理解できなかった。
特に、子どもたちが「木のプール」(または、「木の砂場」)で遊んでいる写真が、ほとんどの木育を紹介する印刷物に大きく掲載されていたのも気になっていた。「子どもが木の遊具やおもちゃで遊ぶことが木育なのか。それだけではないはず。ほんの一部を切り取った写真によって、木育が誤解されて世の中に伝わっているのではないか」。こういう思いを持ちながら、木育についてモヤモヤしていたのだ。2006年に国がまとめた森林・林業基本計画では、木育を「木材利用に関する教育活動」と位置付けていた。木材利用に絞っている点に、少し違和感を覚えた。
そこで、本を企画・執筆・編集することによって、木育にしっかり向き合ってみようと考えてみた。懇意にしていた北海道新聞社出版局の編集者に相談したところ、「北海道発祥の木育を紹介する本なら、社としても出版する意義がある」との返事をもらった。そして、出版企画が通り刊行が決まった。木工デザイナーで木育ファミリー代表の煙山泰子さんと西川の共著で進めていくことになる。

具体的に木育はどういうものなのか。
わかりやすく解き明かす本を目ざした
西川が作成した出版企画書の内容を一部紹介しておこう。本のベースになる考え方は「北海道生まれの新しい言葉『木育』をわかりやすく紹介する本」とした。企画の背景について、2004年の木育推進プロジェクトで討議されてまとめられた木育の定義*を踏まえて、以下のように記されている。
「定義された文章は、理念として何となくわかった気になる。その通りだと思う。ただし、具体的にはどのようなものなのか。この疑問をわかりやすく解き明かした本を企画した。林業や環境教育などに携わっている人たちだけではなく、小学生から高齢者まで広く一般の方々に木育の考え方を理解してもらい、実践してもらえる本とする。写真やイラストを使ってビジュアルに展開していく」
本の全体を通してのトーンはやわらかい雰囲気にして、木育は難しいものではなく、とっつきやすいものなのだということを示すように心掛けた。大学の先生方が執筆する木育の本は、どうしても堅苦しくなりがちなので。
具体的な内容については、8つの項目を立て展開した。例えば、木育宣言(自分にとっての木育とは何かなどを表明する)の発表。共著者だけではなく、木育に関わっている方々にも執筆していただいた。本の中で多くのページを割いたのが、全国各地の木育の事例(ほとんどが、木育の言葉が生まれる以前から行われてきた活動)紹介。その他にも、共著者による木育をテーマにした対談、煙山さんによる「きょうから木育365のヒント」などを掲載した。

発売後、木育関係者以外からも大きな反響が
発売後、林業・木材関係者や教育関係者などをはじめ、木育関係者以外にも大きな反響を呼んだ。全国紙を含めた新聞やテレビでの紹介も多々あり、微力ながらも木育の普及につながっていったと思われる。北海道新聞読書ページ(2008年10月26日付け)の書評(中舘寛隆・北海道読書新聞社編集長)でも紹介された。「本書はこの木育を実践するために必要な情報をまとめた、初の入門書と言える一冊である。(中略)本書では木と親しみ、木に遊び、木から学ぶ活動など、さまざまな実践例の紹介を通し、その大きな可能性が示されている。」(一部抜粋)。

刊行して2年後の2010年、木育マイスター研修がスタートする。2023年度の14期生で新たに約50名が認定され、総勢約370名の木育マイスターが誕生している。現在、全道各地で木育活動が盛んに行われているが、木育の黎明期といえる時代に出版された『木育の本』は、木育の入門書的役割を果たしたといえるだろう。
西川栄明(編集者、木育マイスター育成研修講師)
*木育の定義
「木育とは、子どもをはじめとするすべての人が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組みです。それは、子どものころから木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことです」
~数多くの人たちに、木育を理解してもらうために企画・刊行~
『木育の本』(煙山泰子、西川栄明、北海道新聞社)が刊行されたのは2008年秋。木育という言葉が生まれて4年目のことだった。
当時、私は木育ファミリー会員になっていたが、漠然としか木育のことを理解していなかった。会員になったのも、取材で知り合った木工デザイナーの煙山泰子さん(当時、木育ファミリー代表)からのお誘いがあり、お付き合いで入会したというのが正直なところだった。『北の木仕事』『北の木と語る』など木に関連する本を上梓していたが、私にとっては、木育の概念を消化しきれていないというモヤモヤ感をずっと抱いていた。

刊行のきっかけは、
木育関係者が呟いた言葉
そんな折、札幌で開催された森林・木材関係のイベント会場で、知り合いの道庁水産林務部職員(木育推進プロジェクトチームメンバー)から「西川さん、木育の本を出せませんか…」というようなニュアンスの言葉がぼそっと発せられた。当時、木育について、わかりやすく説明してくれる本は見当たらなかった。道庁や木育ファミリーが発行するパンフレット類はあったが、それを読んでもすんなりと理解できなかった。
特に、子どもたちが「木のプール」(または、「木の砂場」)で遊んでいる写真が、ほとんどの木育を紹介する印刷物に大きく掲載されていたのも気になっていた。「子どもが木の遊具やおもちゃで遊ぶことが木育なのか。それだけではないはず。ほんの一部を切り取った写真によって、木育が誤解されて世の中に伝わっているのではないか」。こういう思いを持ちながら、木育についてモヤモヤしていたのだ。2006年に国がまとめた森林・林業基本計画では、木育を「木材利用に関する教育活動」と位置付けていた。木材利用に絞っている点に、少し違和感を覚えた。
そこで、本を企画・執筆・編集することによって、木育にしっかり向き合ってみようと考えてみた。懇意にしていた北海道新聞社出版局の編集者に相談したところ、「北海道発祥の木育を紹介する本なら、社としても出版する意義がある」との返事をもらった。そして、出版企画が通り刊行が決まった。木工デザイナーで木育ファミリー代表の煙山泰子さんと西川の共著で進めていくことになる。

具体的に木育はどういうものなのか。
わかりやすく解き明かす本を目ざした
西川が作成した出版企画書の内容を一部紹介しておこう。本のベースになる考え方は「北海道生まれの新しい言葉『木育』をわかりやすく紹介する本」とした。企画の背景について、2004年の木育推進プロジェクトで討議されてまとめられた木育の定義*を踏まえて、以下のように記されている。
「定義された文章は、理念として何となくわかった気になる。その通りだと思う。ただし、具体的にはどのようなものなのか。この疑問をわかりやすく解き明かした本を企画した。林業や環境教育などに携わっている人たちだけではなく、小学生から高齢者まで広く一般の方々に木育の考え方を理解してもらい、実践してもらえる本とする。写真やイラストを使ってビジュアルに展開していく」
本の全体を通してのトーンはやわらかい雰囲気にして、木育は難しいものではなく、とっつきやすいものなのだということを示すように心掛けた。大学の先生方が執筆する木育の本は、どうしても堅苦しくなりがちなので。
具体的な内容については、8つの項目を立て展開した。例えば、木育宣言(自分にとっての木育とは何かなどを表明する)の発表。共著者だけではなく、木育に関わっている方々にも執筆していただいた。本の中で多くのページを割いたのが、全国各地の木育の事例(ほとんどが、木育の言葉が生まれる以前から行われてきた活動)紹介。その他にも、共著者による木育をテーマにした対談、煙山さんによる「きょうから木育365のヒント」などを掲載した。

発売後、木育関係者以外からも大きな反響が
発売後、林業・木材関係者や教育関係者などをはじめ、木育関係者以外にも大きな反響を呼んだ。全国紙を含めた新聞やテレビでの紹介も多々あり、微力ながらも木育の普及につながっていったと思われる。北海道新聞読書ページ(2008年10月26日付け)の書評(中舘寛隆・北海道読書新聞社編集長)でも紹介された。「本書はこの木育を実践するために必要な情報をまとめた、初の入門書と言える一冊である。(中略)本書では木と親しみ、木に遊び、木から学ぶ活動など、さまざまな実践例の紹介を通し、その大きな可能性が示されている。」(一部抜粋)。

刊行して2年後の2010年、木育マイスター研修がスタートする。2023年度の14期生で新たに約50名が認定され、総勢約370名の木育マイスターが誕生している。現在、全道各地で木育活動が盛んに行われているが、木育の黎明期といえる時代に出版された『木育の本』は、木育の入門書的役割を果たしたといえるだろう。
西川栄明(編集者、木育マイスター育成研修講師)
*木育の定義
「木育とは、子どもをはじめとするすべての人が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組みです。それは、子どものころから木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことです」
木育の種、咲かせた花~第7回 木育建築のススメ - 2023.09.19 Tue
10年近く前に「木育建築のススメ」というタイトルでブログを書きました。その後、北海道ではこの木育建築が少しずつ増えているように思います。住宅だけではなく、公共建築や教育施設、商業施設などにおいて、木とのふれあいを大切に建てられる建築が多くなっています。こうした木育建築が増えることは、北海道という地域が自然環境に恵まれ、木や森と深く結びついた生活をしていることの証です。これまで森林環境を豊かに守り、木材産業を質高く育ててきた先人達の地道な努力の結果でもあります。
建築の構造材に木材を使っていることを一般的には「木造建築」と呼びますが、建築空間における木材の持つ良さや可能性を伝えるものではありません。この20年の間に、単なる木造建築ではなく木育建築と呼ぶのが相応しい建築が増えています。人の生活のなかで「木とふれあい、木に学び、木と生きる」ことを大切にした木育建築をしっかりと評価して、木育の理念を感じる建築をこれからも増やしていきましょう。
ではあらためて木育建築とはどのような建築なのか考えてみます。
一つ目はそこで使われている木材が周辺地域の森とつながっていること(地産地消)、二つ目はその中に地域の歴史や風土とのつながりが感じられること(地域風土)、三つ目はその建築技術に地域の産業とのつながりが見えること(地場産業)、四つ目は木のぬくもりがそこに集う人を優しく結びつける建築であること(木質空間)など、厳密ではありませんがそのような建築と木質材料の関係が条件となるでしょう。

小樽教会 外観

礼拝堂内部
では「日本基督教団 小樽教会」を例に、木育建築の特徴を見てみたいと思います。延べ面積400㎡の木造2階建ての教会ですが、木育建築のモデルとなるよう計画されました。150年の歴史ある小樽教会です。この永い信仰の伝統を目に見える形で表現すべく、初代教会の床材,椅子,説教壇,聖餐台,大中小三つの鐘などを、新教会に再利用して活かしています。古く壊れかけた家具類を丁寧に再生することで、記憶装置としての木の力と魅力を引き出しました。

家具とレリーフ

構造架構図
木材はこの教会建設のために倶知安町の森で伐採したカラマツ材を用い、無駄が出ないように構造材や外装材に使用しています。礼拝堂の架構は一般的な長さ3.6mで断面12×35cmに加工した無垢の製材を用い、集成材を使わない新しい構造架構方式による建築デザインを目指しました。古い教会の床に使ってきた道産ナラ材のフローリングなども再利用しています。新旧の木材が目に見え、手で触れられるように使用することで、木のぬくもりと優しさが感じられる建築です。ぜひ外部だけではなく内部の空間も体験してください。鳩の木製レリーフが迎えてくれるはずです。
◆建築家 下村 憲一
建築の構造材に木材を使っていることを一般的には「木造建築」と呼びますが、建築空間における木材の持つ良さや可能性を伝えるものではありません。この20年の間に、単なる木造建築ではなく木育建築と呼ぶのが相応しい建築が増えています。人の生活のなかで「木とふれあい、木に学び、木と生きる」ことを大切にした木育建築をしっかりと評価して、木育の理念を感じる建築をこれからも増やしていきましょう。
ではあらためて木育建築とはどのような建築なのか考えてみます。
一つ目はそこで使われている木材が周辺地域の森とつながっていること(地産地消)、二つ目はその中に地域の歴史や風土とのつながりが感じられること(地域風土)、三つ目はその建築技術に地域の産業とのつながりが見えること(地場産業)、四つ目は木のぬくもりがそこに集う人を優しく結びつける建築であること(木質空間)など、厳密ではありませんがそのような建築と木質材料の関係が条件となるでしょう。

小樽教会 外観

礼拝堂内部
では「日本基督教団 小樽教会」を例に、木育建築の特徴を見てみたいと思います。延べ面積400㎡の木造2階建ての教会ですが、木育建築のモデルとなるよう計画されました。150年の歴史ある小樽教会です。この永い信仰の伝統を目に見える形で表現すべく、初代教会の床材,椅子,説教壇,聖餐台,大中小三つの鐘などを、新教会に再利用して活かしています。古く壊れかけた家具類を丁寧に再生することで、記憶装置としての木の力と魅力を引き出しました。

家具とレリーフ

構造架構図
木材はこの教会建設のために倶知安町の森で伐採したカラマツ材を用い、無駄が出ないように構造材や外装材に使用しています。礼拝堂の架構は一般的な長さ3.6mで断面12×35cmに加工した無垢の製材を用い、集成材を使わない新しい構造架構方式による建築デザインを目指しました。古い教会の床に使ってきた道産ナラ材のフローリングなども再利用しています。新旧の木材が目に見え、手で触れられるように使用することで、木のぬくもりと優しさが感じられる建築です。ぜひ外部だけではなく内部の空間も体験してください。鳩の木製レリーフが迎えてくれるはずです。
◆建築家 下村 憲一
木育の種、咲かせた花~第6回 サッポロの山 サッポロの木 サッポロの人 - 2023.08.14 Mon
木育のキーワードの中に「木から人と森のつながりを考える」と「五感を育む」があります。私たちのまわりでは、一枚の紙から家具や建物にいたるまで木がたくさん使われているのに、その木が生きていた森を想像できる人はどれだけいるでしょうか?木と五感でふれあうことで、人も自然の一部であることを実感し、自然に対する思いやりや優しさを育むことが、木育の目指す姿の一つです。
このキーワードを実感できるイベントが、先日2023年7月8日に札幌でありました。その名も「サッポロの山 サッポロの木 サッポロの人」。
イベントの主役といえる存在が、札幌南高等学校林で2018年の台風で半倒れになったハルニレの木でした。この木は半分根が浮いていて、近くのカラマツ3本に自重を支えられている状態でありながら、残った半分の根で命をつなぎとめ、5年経った今も生きた葉を茂らせていました。

ハルニレの木を伐採し木製品として生まれ変わらせるために、道内で活躍する木こりや木工家をクリエイティブオフィスキューというタレント事務所のお笑いコンビ「オクラホマ」の河野真也さんがつなぎ、集めたのがこのイベントでした。サッポロの山で育ったハルニレという木の元に、伐り手、作り手、そして木製品の買い手となる人約50人が集まり、直接林業の現場に触れ、木工家と欲しいものを相談して製品を買うという、生産者と消費者の顔が見えるものづくりが実現したのでした。

イベントでは、学校林を散策しながら、森の手入れをしている木こりの足立さんが、木の種類や森の手入れをするための作業道の作り方などをわかりやすく説明してくれました。

そして森の中に突然現れる木工家ブース。参加者は実際の作品イメージを見ながら、ハルニレで制作してほしいものを作り手と相談して決め、約1年後の仕上がりを待つことになります。完結まで1年かかるイベントを、私は他に知りません。ちなみに私は、チエモク㈱でヘアアクセサリーをオーダーしました。完成が楽しみです。

ではもう一つのキーワード「五感を育む」は?
視覚:森の緑、木によって異なる葉の形、樹皮の模様、目の当たりにする伐採現場の迫力
聴覚:木こりさんの優しい解説、葉にそよぐ風の音、チェーンソーの爆音
嗅覚:森の中で感じる葉、土、空気の色んなにおい
触覚:この日の札幌市の街中気温は30℃超え。それに比べて森の中はひんやりしてなんと心地よかったことか。
味覚:木は食べられないじゃないかと侮るなかれ。散策中に見つけた桑の実を取って、おそるおそる食べてみる子どもたち。ベリー系の酸っぱさと甘さに歓声が上がりました。

私がいいなと感じたのは、「森は気持ちいい」「木製品が素敵」だけでは終わらないイベントだったこと。伐採作業には危険が伴い、森の中ではスズメバチも飛んでいました。伐採した木を乾燥して、製品に加工できるまでには1年近い期間が必要なことも、マイナスに捉えられるかもしれません。
でも、林業・木材産業のいいも悪いも含めて知ってほしい。興味を持ってほしい。山と木と人がつながると、新しくて楽しい何かが生み出せる。それを実感できるイベントでした。これからもこんなイベントが開催されてほしいし、自分たちでも提供できるようになりたい。そう思います。
(文 水産林務部林業木材課 根井三貴)
このキーワードを実感できるイベントが、先日2023年7月8日に札幌でありました。その名も「サッポロの山 サッポロの木 サッポロの人」。
イベントの主役といえる存在が、札幌南高等学校林で2018年の台風で半倒れになったハルニレの木でした。この木は半分根が浮いていて、近くのカラマツ3本に自重を支えられている状態でありながら、残った半分の根で命をつなぎとめ、5年経った今も生きた葉を茂らせていました。

ハルニレの木を伐採し木製品として生まれ変わらせるために、道内で活躍する木こりや木工家をクリエイティブオフィスキューというタレント事務所のお笑いコンビ「オクラホマ」の河野真也さんがつなぎ、集めたのがこのイベントでした。サッポロの山で育ったハルニレという木の元に、伐り手、作り手、そして木製品の買い手となる人約50人が集まり、直接林業の現場に触れ、木工家と欲しいものを相談して製品を買うという、生産者と消費者の顔が見えるものづくりが実現したのでした。

イベントでは、学校林を散策しながら、森の手入れをしている木こりの足立さんが、木の種類や森の手入れをするための作業道の作り方などをわかりやすく説明してくれました。

そして森の中に突然現れる木工家ブース。参加者は実際の作品イメージを見ながら、ハルニレで制作してほしいものを作り手と相談して決め、約1年後の仕上がりを待つことになります。完結まで1年かかるイベントを、私は他に知りません。ちなみに私は、チエモク㈱でヘアアクセサリーをオーダーしました。完成が楽しみです。

ではもう一つのキーワード「五感を育む」は?
視覚:森の緑、木によって異なる葉の形、樹皮の模様、目の当たりにする伐採現場の迫力
聴覚:木こりさんの優しい解説、葉にそよぐ風の音、チェーンソーの爆音
嗅覚:森の中で感じる葉、土、空気の色んなにおい
触覚:この日の札幌市の街中気温は30℃超え。それに比べて森の中はひんやりしてなんと心地よかったことか。
味覚:木は食べられないじゃないかと侮るなかれ。散策中に見つけた桑の実を取って、おそるおそる食べてみる子どもたち。ベリー系の酸っぱさと甘さに歓声が上がりました。

私がいいなと感じたのは、「森は気持ちいい」「木製品が素敵」だけでは終わらないイベントだったこと。伐採作業には危険が伴い、森の中ではスズメバチも飛んでいました。伐採した木を乾燥して、製品に加工できるまでには1年近い期間が必要なことも、マイナスに捉えられるかもしれません。
でも、林業・木材産業のいいも悪いも含めて知ってほしい。興味を持ってほしい。山と木と人がつながると、新しくて楽しい何かが生み出せる。それを実感できるイベントでした。これからもこんなイベントが開催されてほしいし、自分たちでも提供できるようになりたい。そう思います。
(文 水産林務部林業木材課 根井三貴)
木育ファミリー総会2023 報告 - 2023.07.11 Tue
去る6月17日に木育ファミリーの活動拠点であるむかわ町穂別の「むかわ木育の学校」で、2023年度木育ファミリー総会が開催されました。午前10時半からの総会の前には、むかわ町穂別総合支所長からのご挨拶をいただき、その後、前年度活動報告と会計報告が承認にされ、今後の木育ファミリーのあり方について話し合いました。

来年2024年には木育誕生から20年の節目を迎えます。
木育活動が二十歳を迎えるにあたり、木育ファミリーとしても、これまでの活動の成果と今後のあり方について運営委員会で協議を重ねてまいりました。
その結果、20周年記念事業「二十歳の木育」を機に、木育ファミリーの組織を見直し、次の世代へ移行することを今回の総会議案として提案しました。
今年の運営委員の改選にあわせて新体制への移行までの期間は、年会費の徴収をなくし、新しく立候補した運営委員による合議制で木育ファミリーを見直す機会とすることになりました。

総会後は、教室内で「足踏みロクロ」体験をしました。久しぶりのグリーンウッドワークなので、道具の整備も不十分でしたが、なんとか生木を丸い棒状に削るだけでも楽しい時間を過ごす事ができました。
むかわ町職員の方と一緒にロクロを踏み、カフェ・タイムできたのが良かったです。
2023年度木育ファミリー役員名簿(五十音順.敬称略)
〇運営委員
石谷 成規(共游の森)
熊尾 美香(北海道水産林務部)
酒井 なおみ(どさんこミュゼ株式会社)
西川 栄明(編集者)
根井 三貴(北海道水産林務部)
萩原 寛暢(てしかが自然学校)
濱田 智子(株式会社 森林環境リアライズ)
〇顧問
煙山 泰子(KEM工房)
〇監事
種市 利彦(株式会社 森林環境リアライズ)
〇特別名誉会員(故人)
辻井 達一、堀尾 時司

来年2024年には木育誕生から20年の節目を迎えます。
木育活動が二十歳を迎えるにあたり、木育ファミリーとしても、これまでの活動の成果と今後のあり方について運営委員会で協議を重ねてまいりました。
その結果、20周年記念事業「二十歳の木育」を機に、木育ファミリーの組織を見直し、次の世代へ移行することを今回の総会議案として提案しました。
今年の運営委員の改選にあわせて新体制への移行までの期間は、年会費の徴収をなくし、新しく立候補した運営委員による合議制で木育ファミリーを見直す機会とすることになりました。

総会後は、教室内で「足踏みロクロ」体験をしました。久しぶりのグリーンウッドワークなので、道具の整備も不十分でしたが、なんとか生木を丸い棒状に削るだけでも楽しい時間を過ごす事ができました。
むかわ町職員の方と一緒にロクロを踏み、カフェ・タイムできたのが良かったです。
2023年度木育ファミリー役員名簿(五十音順.敬称略)
〇運営委員
石谷 成規(共游の森)
熊尾 美香(北海道水産林務部)
酒井 なおみ(どさんこミュゼ株式会社)
西川 栄明(編集者)
根井 三貴(北海道水産林務部)
萩原 寛暢(てしかが自然学校)
濱田 智子(株式会社 森林環境リアライズ)
〇顧問
煙山 泰子(KEM工房)
〇監事
種市 利彦(株式会社 森林環境リアライズ)
〇特別名誉会員(故人)
辻井 達一、堀尾 時司