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ダニ媒介「回帰熱」始末記(2)全3回 -  2018.11.15 Thu

■はじめに
「木育」では、山林、特に里山での活動機会も多いはずです。そこでこの連載第2回では、ちょっと横道に逸れて、マダニとそれがもたらす感染症について書いてみました。すべて、今回の回帰熱騒動の中で興味が沸いて調べた内容ですが。

■ダニとマダニは別物
私たちの周りには「ダニ」はいたる所にいます。食品、絨毯、寝具、私たちの顔にだって「顔ダニ」がいます。
ダニではありませんが、定年後、女房の稼ぎを当てにして暫く遊んで暮らそうと考えていた「ダニのような輩」もいます。しかし、これから紹介するダニは山林などの屋外に生活し、ほ乳類などの血液や体液を吸って生きる大型のダニ「マダニ」で、日頃私達とそれなりに仲良く生きている「共生ダニ(?)」とは全く種類が異なるものです。

■マダニと感染症
昔も今も、山の危険生物はと問えば誰もがヒグマとスズメバチと答えるでしょう。ところが近年、マスコミの影響もあって、マダニが媒介する感染症への社会的な関心がかつてないほどに高まっています。
日本に生息するマダニは46種、このうち北海道では5種類のマダニが確認されていますが、感染症のベクターとして最も危険なマダニが「ヤマトマダニ」と「シュルツエマダニ」です。前者が南方系、後者は北方系ですが両者は近縁種で、島や高山など一部エリアを除いて、ほぼ道内全域で共通に見られるようです。

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シュルツエマダニ「こんなのが、あなたを狙っているのです!」

彼らは、先端の口器を皮膚に射し込んで吸血する際、セメントに類似した硬化物質を唾液腺から放出します。これがマダニの容易な除去を困難にしている要因です。蚊の唾液に含まれる溶血物質はよく知られていますが、吸血生物が身につけた能力には本当に驚きます。
さて、これまで本道で確認されているダニ感染症は、①ライム病、②回帰熱、③脳炎の三種類です。①と②はともスピロヘータ科ボレリア属の細菌によるものですが、感染しても有効な治療薬(抗生物質)があるため危険な状態になることは少ないようです。一方、有効な治療薬が無く、意識障害や髄膜炎など脳に重篤なダメージをもたらし現在最も危惧されているウィルス性の感染症が③脳炎です。平成5年に道南で初めて患者が確認されて以来平成25年までに5件の報告があって二人が亡くなっています。
これまで本道での発生例は確認されていませんが、西日本で最も恐れられている「重症熱性血小板減少症候群」のように高い致死率の感染症もあり、今後北海道でも発症する可能性が十分考えられるのではないでしょうか。

■(新興)回帰熱
当エッセイの標題のとおり、私が感染したのは回帰熱ですが、この病原体は1955年に札幌医科大学の宮本博士により発見され、ボレリア ミヤモトイ(以下B.M)と命名されたものです。当初、このB.Mの有害性は明確ではなかったそうですが、最近になってようやく、それまで原因が特定できなかった過去2件の症例がB.Mによるものであることが明らかになり、従来の回帰熱と区別するため「新興回帰熱」と呼ばれることになったとのことです。因みに、シュルツマダニのB.Mの保菌率は、ロシアで数%~16%、本道では1%~5%との調査報告があります。
次回(最終回)は、治療開始から騒動終息に至るご報告ですが、何ら予想外の展開やドラマチックな展開はありませんので予めお断りしておきます(笑)。


◆日高振興局森林室平取事務所  種市 利彦

しらかんばの「枝」 -  2018.11.15 Thu

「しらかんばずかん」11月号

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美白が自慢の「しらかんば」
でも、幼いときは「くろかんば」
一皮むけて「こげちゃかんば」
二皮、三皮、、、「ちゃかんば」
お色直しをくり返し ようやく美白の「しらかんば」
それでも枝は「くろかんば」


◆帯広の森はぐくーむ/木育マイスター 日月 伸

道民森づくりの集い2018  -  2018.10.18 Thu

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9月30日(日)野幌森林公園で「道民森づくりの集い2018」が開催されました。
胆振東部地震や台風の影響も心配でしたが、北海道開拓の村の屋内と入口広場に「森のテント村」を設営し、森づくり活動の発表や製品の展示販売などが準備され、森林活用課長(濱田智子さん)の「北海道の元気と、北海道の森の素晴らしさを伝えたい」との力強い挨拶でオープンしました。

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木育ファミリーは実行委員として団体参加し、当日は会員5名(阿部、齊藤夫妻、下村、煙山)に、木育マイスター実地研修生4名が加わり、全員9名で分担してグリーンウッドワークと白樺細工のコーナーを運営。

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今年の来場者は例年より観光客が少なく、このイベントを目的にした友人や家族連れの方が、ゆっくり時間をかけて楽しんでいる様子が印象に残りました。

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体験メニューは、ノコギリと手回しドリルを使う「トントン・ハンマー」、生木を削って作る「小さな木の家」、「白樺のコロコロ・マスコット」の3種類。


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木育マイスター研修生も活躍しました!


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大人にも、子どもにも、一番人気の「トントン・ハンマー」


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「小さな木の家」


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「白樺のコロコロ・マスコット」


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ツリーイング(木登り体験)


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棒まきパン


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キノコ展示

種市さんの「ダニ媒介 回帰熱」始末記(1)全3回 -  2018.10.18 Thu

■はじめに
本年3月の定年退職を期に、四半世紀に及んだ役人生活からきれいさっぱり足を洗って、「髪結いの亭主」とまではいかないものの、年金支給日までは女房の稼ぎを頼りに暮らそうと都合のよいことを考えていました。
アルバイトで小遣いを得ながら、バイクで全国の温泉や美術館を巡り、美しい海辺に野営して夕焼けに感動する、こんな夢がとうとう叶う時がきたんだと胸躍らせていたのですが、世の中そううまくはいかないようです。諸般の事情により、恥ずかしながらもう数年(?)ほど、林務行政の末席を汚すことになって、この4月から平取町(日高)にある道の林業関係の事務所に席をいただいています。誠にありがたいことではありますが。
さて、山林に分け入る機会の多かったこの25年間、幸いにも大きな事故や怪我に見舞われることはありませんでしたが、ただ三度経験した「ウルシかぶれ」の激烈で幾日にもわたる痒みの辛さは忘れられないものです。

■辛い「ウルシかぶれ」
昨年末、ある林業関係の小冊子に「ウルシ」について寄稿しました。その種類や特徴、そして世界に誇る伝統工芸について触れるとともに、その二月ほど前に被った悲惨な「かぶれ」について報告したのです。

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「ウルシかぶれ」については、道職員となったばかりの平成5年春に惨憺たる経験をして以来20年以上、春先に地面を這うどんなに小さな新葉も見逃すことがないくらいに細心の注意を払ってきたのですが、退職間近の気の緩みでしょうか、なんと平成27年の夏、そして29年の秋と再び辛い辛い日々を送ることになってしまいました。
昨年のかぶれでは手の他にこれまで経験のなかった顔も悲惨な状態に陥り、結局、最強のステロイド剤を朝に一挙3錠服用して、ほぼ一週間程度で7割方痒みは沈静化したのですが、その間の、腕を切り落としたくなるような衝動と戦いながらひたすら耐える日々は本当に辛いものでした。

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この投稿文では、森林内での多くの危険に対して注意を喚起した後、最後を「・・・・自分の不注意さ愚かさには呆れるばかり、ウルシも笑っていることだろう。因みにウルシの花言葉は「賢明」である。」と締めて、ナイスなエンドだなあ~と悦に入っていたのですが、それから一年と経たずして、今や危険生物ランキングを急上昇中の「マダニ」様からありがたくない贈り物をいただくことになるとは夢にも思ってはいませんでした。

■初夏~カラマツの新葉と戯れる!?
初めてマダニに食い付かれたのも20年ほど前のことです。この時は背中でしたが、幸いなことに偶然に妻が見つけて引っ張り出したのです。今でも痕跡は明確に残っていますが、その後何事もありませんでした。
当時、ダニ由来の感染症といえばせいぜい「ライム病」くらいしか思い浮かばず、ダニによる咬傷も、蚊やアブのそれと同じようなもの、スズメバチやヒグマの危険性とは比較にすらならない低い意識でした。とはいえ、それ以来「ウルシ」同様に山では細心の注意は払ってきたのですが・・・・・・・。
季節が一月進んだような陽気に見舞われた今年5月末のことです。この日、ある調査のため、高さ3~4mほどのカラマツの若い林に分け入りました。
マダニが媒介するウィルス性脳炎で、すでに2人の道民が亡くなっていることは承知していたのでナイロン製の上下にゴム長靴、ゴム手袋を装着しました。これでウルシやイラクサにも心配はありません。ただ、頭部全体を覆うことなく、首に白いタオルを巻き付け頭にはヘルメットを着用しました。草丈はまだ低くせいぜい腹部くらいですが、カラマツの新葉は緑も初々しく、まるで幼児の頭髪かはたまた可憐な乙女の指のような柔らかさで、顔に当たると何ともいえない心地よさです。こうして妙に爽やかな(?)余韻を残して、山林を後にしたのでした。

■ついに「マダニ」の進入を許す!
その夜、浴室で左腹部に食らいついたマダニを発見してびっくり仰天。カラマツの新葉に付いていたものが首から進入したに違いありません。「可憐な乙女の指のような」などと浮かれていた自分がアホのようです。山林から出た後、直ちにタオルを取ってしっかり確認さえしておけばよかったものを・・・もう後のまつりでした。
このような場合、「無理に引き抜かず病院へ」が鉄則です。しかしこれから夜間受診する気にもならず、結局、皮膚に突っ込んでいた頭部(口器)を残さぬようゆっくりと引き抜きました。完全に除去できたか否かは今だ判然としはいませんが。これが一昔前のことならさほど気にも留めなかったのですが、前述したように「マダニ」媒介の危険な感染症は昨今のマスコミでたびたび話題になっていることもあり、一抹の不安を感じました。それでも、「感染症なら病原体はもう体内だよなー」と妙に開き直って、とりあえず傷口の化膿防止のため手元にあった抗生剤軟膏をたっぷり塗りつけて床に入りました。

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自分で除去した翌日の患部(平成30年5月)

その後、患部は少し化膿したような気もするのですが(写真)、病院にも行かず、翌々日には娘に会うため夫婦で上京するなど何事もなく日々を送りました。
そして咬傷からちょうど2週間後の日曜日、札幌の自宅に戻っていた時のことです。明らかにいつもと異なる感じ、軽い異変を覚えたのです。それまで私の体の中でひっそりと息を潜めていた”奴”がついに動きだしたのです。今思うと間違いありません。(つづく)

◆日高振興局森林室平取事務所  種市 利彦

しらかんばの「黄葉」 -  2018.10.18 Thu

「しらかんばずかん」10月号

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秋、紅葉(黄葉)の季節です。
木々がどの部分の葉から色づくのか、考えたことがありますか?
答えはいろいろです。内側から色づくもの、外側から色づくもの、色づかず黒ずんで葉を落とす種類の木もあります。

しらかんばの色づきは、内側からです。紅葉(黄葉)とはいわば葉の老化現象ですが、しらかんばの場合、春一番に一斉に葉を開いた後で、枝をさらに先に伸ばし、そこに新しい葉を順々に開いていきます。つまり、枝の先端の方の葉ほど、まだ若いということなのです(詳しくはしらかんばずかん8月号「しらかんばの葉」を参照ください)。先に開いて早くに老化が訪れる内側の葉は早々に色づき、遅れて出てきた外側(先端)の若い葉は遅れて色づくというわけです。

内側の葉が色づき、遅れて先端の葉が色づいてくるころには、内側の葉は落葉してしまいます。その後、先端の葉も落葉し、しらかんばは今シーズンの店じまい。
長く、厳しい冬が、一歩一歩と近づいてきています。


◆帯広の森はぐくーむ/木育マイスター 日月 伸

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