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あなたは、なぜ木育マイスターになったのか? -  2021.09.12 Sun

木育異端児の天声樹語(2)

そもそも自分は
なぜ木育マイスターになろうとしたのか?

それは《直観》である。

普段から
何かを始める時に理由なんて考えない。

正確にいうと
左脳(理屈)ではなく、右脳(感覚)で捉えている。

わたしの個人的な直観の解釈の一つとして
処理スピードが速い、イメージ担当の右脳の閃きに対して
処理スピードが遅い、理論担当の左脳は理解が出来ない。
つまり、イメージは出来ても、
理屈を言葉に出来ない状態であると思っている。

右脳の閃きを信じて行動すると
徐々に左脳は、“コト”の内容を理解する。
言い換えると
《理屈が後から、ついてくる》

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この木育マイスターも、そうだった。
自分の考えや価値観を変え
さらには、人生の道までも変えてしまう
大きな転換期になった。

次に
直観で行動したあとで
大事にしていることは
《左脳が出した答えに、耳を傾けてあげる》こと。
世間では
内観、フィードバック、分析などと言っている。

では
自分は何のために
木育の世界へ、足を踏み入れたのだろうか?

当時、樹木医試験に合格はしたものの
やりがいや、資格に価値を感じていなかった。
それは資格取得が目的であって
その先に目標が無かったからである。

そこに
木育なるものが目の前に現れた。
今になって思うと
探していたのだった
《木と対話するための材料》を。

20210902.jpg 
芦別の黄金水松

2010年9月の連休に
道内の巨木名木を巡る旅をした。
まさに『 気(木)があう 』とでも言うのだろうか
三十数本に出会ったなかで、
ごく稀に、気持ちや感情を伝えてくる木があった。

(ちなみに、
林業の仕事をしている時にもあったのだが
自分の妄想だと思い込んでいた。)

数年後、木育を知ったとき
自分の右脳は、すぐさま
誰もが木と対話できるようになるための
材料のひとつとして《木育》を採用したのだ。

いまの自分にとって
木育は《植物と対話するための材料》になっている。

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〇この木はフレンドリーな感情を伝えてくる

これを読んで下さった、あなた自身にとって
木育とは、何であるのか?
なぜ木育マイスターになったのか?
木育を手段とするならば、何が目的なのか?

これらの答えは
木育活動の方向性だけではく、
もしかしたら
あなたの人生の道標になるかもしれない。

(次回に続く)



◆木育マイスター デニーロ石谷

あなたが出来る、木育はなんですか? -  2021.08.16 Mon

木育異端児の天声樹語(1)

2012年8月26日
木育マイスター第3期の講座を受講

そこで衝撃を受けた。

学ぶとは
学校の授業のように
受け身で学ぶものだと思っていた。

しかし
木育マイスター養成講座は違った
《遊び》だった。
 
遊びの中から
気付き、学ぶのが
木育だと知った。

自分は
この木育の道に進もうと思った。

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木育マイスター育成研修(薪割り〜火起こし)

その後
木育イベントの手伝いをして
気付いてしまった。
《子供が嫌い》
とくに
自由が過ぎる《クソガキ》

ストレスが貯まるなら
やらない方が良い。

そこで考えた
自分は大人向けの木育が
性に合っている。
だから
自分は子供を対象にしていない。

環境教育=子供
というイメージが強いが
教育という言葉が
そのような固定概念を
助長させてしまっているのかもしれない。

木育の取り組みは
「木とふれあい、木に学び、木と生きる」こと
それは大人だって良い。

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《こうあるべき》は、可能性を狭める。
まず初めに、考えることは、
自分自身は何がしたいのか?
次に
どのようにしたら出来るのか?

固定概念にとらわれず
出来ることから行動してほしい。

(次回に続く)



◆木育マイスター デニーロ石谷

簡単なオイル仕上げについて -  2020.12.15 Tue

KEMさんの木育生活12

木工品の最後の仕上げ(塗装)のお話です。削ったり、サンドペーパーがけしたものを白木のままで使うのもいいですが、ほこりが付きやすく汚れが染み込むのが気になります。ですから、市販の木製品の多くは塗装で仕上げられています。
DIYの分野では最近、安全性や作業時の健康に配慮した植物オイル系の自然塗料に関心が高まっています。市販の自然塗料には乾きが早く塗膜が強い、アマ二油が主に使われています。健康とエコロジーの思想から生まれた製品で、ドイツからの輸入品が多いのですが価格が高いのが難点です。
そこで身近にあるオイル素材の中から、仕上げに使えそうなものを試してみました。安全性については食品用オイルとして販売されているものなので大丈夫でしょう。賞味期限が過ぎていても問題ありません。

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最近の食品売場には植物性オイルがいろいろと揃っています。おすすめなのは、エゴマ油、アマ二油、ベニバナ油。ヒマワリ油も使えますが、少し乾くのが遅いようです。クルミ油も使えますが、クルミはナッツのほうが身近です。むき実を布に包んでハンマーで潰し、にじみ出た油で拭きます。
これらは乾性油(空気中の酸素の酸化重合で固まる)で、不乾性油のゴマ油、オリーブ油、菜種油、ツバキ油等は塗装にはむきません。

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植物性オイルの使い方は、いたって簡単!! 塗って拭くだけです。
削ったり、サンドペーパーがけした素地がそのまま残りますので、仕上げは丁寧にしてください。塗ってから2~3分置いて、布でよくふき取ります。
表面にしみこむだけですので、一回では濡れ色程度の仕上がりですが、乾いてからくり返せば濃くなります。また、何年も経つうちに、だんだんと良い色になって行きます。
完全に乾かないうちは、油ジミが付くことがありますので注意してください。
参考に、オイルに蜜蝋を混ぜた「蜜蝋ワックス」の作り方を紹介します。

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わたしは自宅のカッティング・ボードを毎年一回、紙やすりをかけてからオイルを塗って使っています。
汚れ止めになりますし、何度も手をかけるほど道具への愛着もわいてきます。

今年の1月から連載してきた「KEMさんの木育生活」は、これが最終回となります。木工デザインが本業の私の日々の生活や楽しみ、木育を通して出会った人々との思い出を綴りました。
これらが「あれも木育 これも木育」の一例として参考になれば幸いです。ありがとうございました!

     

◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

サンドペーパーのこと -  2020.11.16 Mon

KEMさんの木育生活11

木でものづくりする時、作品の完成度に差が出るのが仕上げです。木材の素材感を活かし、長く愛着を持って使うため、2回に分けてサンドペーパーとオイル仕上げについてお話します。

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木工の「陰の功労者」と呼べるのが、サンドペーパー(研磨布紙)です。
切ったり、削ったり、組立てたり・・・これらの加工の次には、かならずお世話になりますね。
研磨布紙の始まりは、12世紀頃より乾燥した鮫皮でものを擦り磨いていたようで、13世紀になると中国では貝殻をゴム質樹液で羊皮紙や皮につけて使っていたとのこと。
現在は、貝殻は人工研磨剤へ、ゴム質樹液はニカワ、レジンへ、羊皮紙は紙、布へと発展して多様な製品が作られています。
市販の紙やすりは研磨剤の粒子の粗さで分けられ番手で表示されます。
実際の木工に使う目安としては、おもに80~400番を用途に合わせて使います。
また、機械サンダーより手作業の方が番手の細かい物を使った方が良いでしょう。

 80番~100~120番(荒い)・・・サンダーによる粗削り、形の成形、荒肌仕上げ
 180番~240番(中くらい)・・・・素地の仕上げに最も良く使う。
 320番~360~400番(細かい)・・・・塗装前後の調整
 600番~800~1000番(ごく細かい)・・堅木の超仕上げ、塗装後の表面みがき
 ※裏が黒い油紙のものは、水/油砥ぎ用です

平面を手でかける時は、基準面ができるようにキャラメルの箱くらいの木片に紙やすりを巻きつけて使います。荒いペーパーで乱暴に磨いたキズは、意外と残るので木目に沿って均等にかけてください。
昔からある薄茶色の紙やすりは、研磨材に天然のガーネットを使っていますが、表面が白色のものは、目詰まり防止剤を塗布してあります。こちらの方が断然よく削れます。また、ベルトサンダーのベルトも、従来の茶色のアランダム(褐色酸化アルミナ)から、最近のセラミック砥粒のものまでいろいろと進化しています。

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究極にエコなのは植物の研磨材で、木賊(トクサ)と椋(ムク)の葉です。ムクノキは関東地方以西の温暖な地域に生育する落葉高木で、別名ムクエノキとも呼ばれ、ケヤキやエノキと同じニレ科の樹木です。トクサは北海道でも身近に見られる植物で、アイヌ語では「シプシプ」と呼びます。いずれも採取後に陰干しして、トクサはそのまま、椋の葉は破れ易いためガムテープなどで葉の表を裏打ちし、ザラツキの強い葉の裏を研磨に使います。ザラザラはトクサと同様に、植物の表面がケイ酸質の物質で覆われているからです。つまり自然が作ったサンドペーパーです。爪切り後の先端をなめらかにすることなどもできるので機会があれば試してみてください。

ところで、紙やすりは使い捨ての消耗品だと思っていませんか?
数回使ったものでも、表面についている削りカスを払えば、少しソフトな細かいものとして曲面の磨きや、塗装前の仕上げに使えます。また、プラスチック、陶器や金属も削れるので、買ったばかりの陶器の裏のザラザラ取りなど日常にも利用できます。しかし、素材を削り取ってしまうので表面処理してあるものは注意してください。また、健康のために削りかす(粉)を吸い込まないよう気をつけましょう。



◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

木を描く -  2020.10.14 Wed

KEMさんの木育生活10

「この木、いいな」「この葉、キレイだな」と感じて記録に残したいと思った時、多くの人は写真に撮るのではないでしょうか。いつも身近にスマホやカメラがあるので、手軽にその瞬間を画像に留めることができるようになりました。
でも、じっくり木に向き合って「描く」のはまた格別の楽しさがあります。
木の幹や枝のつき方、樹皮や葉っぱの質感、木の全体を見ていると根の張り具合まで観察するようになるのです。よーく見つめていると、なんだか木の声が聞こえてくるような気さえします。
ゆっくりとそんな時間を味わいたくて、今年は年間10本の木を描こうと意気込んでいたのですが・・・まだ2本だけしか実現していません。それは自宅のブナと、初めて出会ったタマリンドの木です。

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実際に描いているのは一時間ほどなのですが、なんとも言えず心豊かなひと時でした。
ですが・・・実際に用具を揃えてスケッチするのは手間もかかるし、ハードルが高いと感じる方には「フロッタージュ(こすり描き)」をお勧めします。

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フロッタージュ(frottage:仏)とは、デコボコのあるものの上に紙を置き、鉛筆などでこするように描くことで対象を写し取る技法で、フランス語の「frotter(こする)」に由来します。
使用する紙は、比較的薄くて柔軟性があり、こすっても破れにくい上質紙や薄い和紙などが適します。私がよく使うのは昔の学校で使われていた「わらばん紙」で、鉛筆、コンテ、クレパスなど適度な硬さを持つ画材でこすります。これなら身近な木の葉や板を使ってすぐに描けますし、木育のプログラムにすることもできます。

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私が津別町でやっている木育授業では、最初に説明をしてから木の葉採取に出かけ、葉の裏側を使ってこすり描きします。目で見ていた時とは違う繊細な自然の造形が、紙の上に現れます。
自分のセンスを生かして自由にやっているうちに、だんだんと熱が入り力作に!それぞれの個性あふれる作品ができました。最後に葉の名前や特徴、場所と日時も入れると採取記録にもなります。

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自分の手で描く楽しさに目覚めたら周囲を見る目が変わって、なんでもこすり書きしたくなりました。
こんな風に、ナラの古びたフローリングもアート作品のようです。

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◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子 

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