大人の木育講座 第2回 報告 - 2022.12.14 Wed
12月1日(月)、札幌エルプラザ環境研修室にて西川栄明さんの企画による「第2回大人の木育講座」を開催しました。

今回の講師は、大橋義徳さん(北海道立総合研究機構 林産試験場 技術部 研究主幹)です。
当日の参加者は学生から森林や木材・木工関係、建築、行政と幅広い分野の顔ぶれで、また前回に続いての方々も多く見られました。講演のテーマは、「トドマツ、カラマツ、スギ。材質は、どこがどう違うのか。 ~林産試験場の研究者が、わかりやすく徹底解説~」です。

大橋さんは林産試験場での実際の研究データをもとに、テーマを分けて多数の画像と詳しい説明でお話しをしてくださました。当日のスライド資料をご提供いただいたので、抜粋して報告します。

最初は、近年の「木造ブーム」と「木材の特性」について・・・



次に、「道内の木造建築」と「木造を支える木材」について


「北海道の人工林資源と利用状況」から「道産材の材質」カラマツ、トドマツ、スギの特性について





最後は「道産材の活用に向けた取り組み」として、実際に林産試験場での道産針葉樹材(トドマツ、カラマツなど)を用いた木質材料の製造技術・利用技術の開発など、特にCLTを主要テーマにした研究成果を見せてくださいました。



質疑応答タイムでは、木材関係や研究者、学生さんからの質問にも丁寧に答えていただき、専門的で充実した内容の講座となりました。

◆第3回大人の木育講座のお知らせ◆
2023年3月2日(木)19:00~20:50 札幌エルプラザ4階 中研修室
テーマ:なぜ、ウイスキー樽の素材にミズナラが使われるのか。
~林産試験場の研究者が、ウイスキー樽の不思議をわかりやすく解説~

今回の講師は、大橋義徳さん(北海道立総合研究機構 林産試験場 技術部 研究主幹)です。
当日の参加者は学生から森林や木材・木工関係、建築、行政と幅広い分野の顔ぶれで、また前回に続いての方々も多く見られました。講演のテーマは、「トドマツ、カラマツ、スギ。材質は、どこがどう違うのか。 ~林産試験場の研究者が、わかりやすく徹底解説~」です。

大橋さんは林産試験場での実際の研究データをもとに、テーマを分けて多数の画像と詳しい説明でお話しをしてくださました。当日のスライド資料をご提供いただいたので、抜粋して報告します。

最初は、近年の「木造ブーム」と「木材の特性」について・・・



次に、「道内の木造建築」と「木造を支える木材」について


「北海道の人工林資源と利用状況」から「道産材の材質」カラマツ、トドマツ、スギの特性について





最後は「道産材の活用に向けた取り組み」として、実際に林産試験場での道産針葉樹材(トドマツ、カラマツなど)を用いた木質材料の製造技術・利用技術の開発など、特にCLTを主要テーマにした研究成果を見せてくださいました。



質疑応答タイムでは、木材関係や研究者、学生さんからの質問にも丁寧に答えていただき、専門的で充実した内容の講座となりました。

◆第3回大人の木育講座のお知らせ◆
2023年3月2日(木)19:00~20:50 札幌エルプラザ4階 中研修室
テーマ:なぜ、ウイスキー樽の素材にミズナラが使われるのか。
~林産試験場の研究者が、ウイスキー樽の不思議をわかりやすく解説~
大人の木育講座 第1回 報告 - 2022.11.14 Mon
10月31日(月)、札幌エルプラザ環境研修室にて西川栄明さんのコーディネートによる「大人の木育講座」を開催しました。
第1回の講師は、森林ジャーナリストの田中淳夫さん。
当日の参加者は40名余りで、高校生から森林や生物学専攻の大学生、木育マイスターや森林、林業、建築、行政の方々と幅広い顔ぶれでした。
講演のテーマは、「北欧の森にムーミンはいるか? ~フィンランドの森林と林業の虚実~」です。


(田中さんのスライド資料より)
最初に「フィンランド林業は勝ち組?」との問いかけがあり、日本におけるフィンランド林業に対する田中さんからの問題意識が提示されました。
その後、田中さんが監訳を担当され8月に出版された話題の書『フィンランド 虚構の森』(アンッシ・ヨキランタなど、新泉社)についてのお話に続きます。同書はフィンランドの森林や林業の実態を紹介したノンフィクション作品で数年前にフィンランドでベストセラーとなり、日本人が思い描くフィンランドの森林とは異なる現状が赤裸々に記されています。


従来のフィンランドの森や自然のイメージとは異なる状況について、具体的な写真を見ながらのお話しには強い説得力がありました。

次に、田中さんが森林ジャーナリストの視点から日本の林業の現状と問題点、さらなる課題などについてお話しされました。その中には日本の林業政策のこれからを示唆する大切な視点が含まれていたように思います。

最後に、森のようちえん全国大会の取材を通して感じた、木育の可能性にも触れ、幼児期から林業への関心を育むことに期待を持っているとのことでした。
質疑応答タイムでは、林業関係や研究者、学生さんから活発な質問や意見が出て、予定時間をオーバーするほどでした。
第1回の講師は、森林ジャーナリストの田中淳夫さん。
当日の参加者は40名余りで、高校生から森林や生物学専攻の大学生、木育マイスターや森林、林業、建築、行政の方々と幅広い顔ぶれでした。
講演のテーマは、「北欧の森にムーミンはいるか? ~フィンランドの森林と林業の虚実~」です。


(田中さんのスライド資料より)
最初に「フィンランド林業は勝ち組?」との問いかけがあり、日本におけるフィンランド林業に対する田中さんからの問題意識が提示されました。
その後、田中さんが監訳を担当され8月に出版された話題の書『フィンランド 虚構の森』(アンッシ・ヨキランタなど、新泉社)についてのお話に続きます。同書はフィンランドの森林や林業の実態を紹介したノンフィクション作品で数年前にフィンランドでベストセラーとなり、日本人が思い描くフィンランドの森林とは異なる現状が赤裸々に記されています。


従来のフィンランドの森や自然のイメージとは異なる状況について、具体的な写真を見ながらのお話しには強い説得力がありました。

次に、田中さんが森林ジャーナリストの視点から日本の林業の現状と問題点、さらなる課題などについてお話しされました。その中には日本の林業政策のこれからを示唆する大切な視点が含まれていたように思います。

最後に、森のようちえん全国大会の取材を通して感じた、木育の可能性にも触れ、幼児期から林業への関心を育むことに期待を持っているとのことでした。
質疑応答タイムでは、林業関係や研究者、学生さんから活発な質問や意見が出て、予定時間をオーバーするほどでした。
道民森づくりの集い2022報告 - 2022.10.18 Tue
10月2日にサッポロさとらんど にて「道民森づくりの集い」が開催され、木育ファミリーは展示、実演、物品販売として出展しました。

当日は交流館とセンターの二箇所の会場に分かれ、さとらんどセンターの二階には『食育✕木育』キッズコーナーが同日オープンし、木製玩具や、道南スギ製のコーナーなど、体験待ちの行列ができるほどの人気ぶりでした。また、一階では、木育マイスターによるワークショップも行われました。

さとらんど交流館では13団体が参加して、展示、販売、体験などでにぎわいました。
木育ファミリーのブースでは、木育グッズやパネルの展示、削り馬を持ち込んでの削り馬ツリー製作などの実演展示を行いました。


販売品は『木のたまご』や、会員が製作した削り馬ツリー、トンカチ、ブンブンごまなど。中でもブンブンごまは子どもたちに好評で、皆さん購入したその場で作り方を教わりながら組み立て、回し方もレクチャーしてもらい楽しく遊んでいました。削り馬ツリーは会員が実際に製作するところを興味津々でご覧になり、なかには気に入ったものを購入される方もいました。
普段、販売などは不慣れなので少し不安でしたが、予想外に盛況で、たくさんの笑顔に出会うことができました。ささやかではありますが、木育の学びと楽しさを、来て下さったお客様と私たちが共有できたと思える一日でした。



当日は交流館とセンターの二箇所の会場に分かれ、さとらんどセンターの二階には『食育✕木育』キッズコーナーが同日オープンし、木製玩具や、道南スギ製のコーナーなど、体験待ちの行列ができるほどの人気ぶりでした。また、一階では、木育マイスターによるワークショップも行われました。

さとらんど交流館では13団体が参加して、展示、販売、体験などでにぎわいました。
木育ファミリーのブースでは、木育グッズやパネルの展示、削り馬を持ち込んでの削り馬ツリー製作などの実演展示を行いました。


販売品は『木のたまご』や、会員が製作した削り馬ツリー、トンカチ、ブンブンごまなど。中でもブンブンごまは子どもたちに好評で、皆さん購入したその場で作り方を教わりながら組み立て、回し方もレクチャーしてもらい楽しく遊んでいました。削り馬ツリーは会員が実際に製作するところを興味津々でご覧になり、なかには気に入ったものを購入される方もいました。
普段、販売などは不慣れなので少し不安でしたが、予想外に盛況で、たくさんの笑顔に出会うことができました。ささやかではありますが、木育の学びと楽しさを、来て下さったお客様と私たちが共有できたと思える一日でした。


2022総会報告「木育カフェ編」 - 2022.08.16 Tue
前回の総会報告に引き続きカフェ・タイムの報告です。教室内の制作物は、主にお子さん中心に、木のビーズアクセサリーや、削り馬ツリーの装飾などを行いました。
大人たちは校庭に出て、木育ランチの支度にかかりました。役場の方々もテーブルや椅子を用意するなどして手伝ってくださいました。前日は大雨が降っていたそうです。そう云えば途中の川がずいぶんと濁っていたのを思い出しました。役場の方々は、ロケットストーブとダッチオーブンを使った屋外調理の計画を聞いて、ずいぶん心配されたそうです。そのやさしい気持ちが通じたのでしょう。山々を覆う雲は低くグラウンドは湿っていましたが、雨は上がり空もだんだん明るくなっていました。

メニューはふたつ。チキンのグリルとそば粉のガレット。ガレットはそば粉で作るものを特にガレット・ブルトンヌといって、フランス・ブルターニュ地方の郷土料理だそうです。


ダッチオーブンで「ロースト・チキン」


ロケットストーブで「そば粉のガレット」
レシピは他記に譲りますが、教えて頂きながら、私も挑戦してみました。ミクニ・シェフは生地に落とした卵白を伸ばすそうだよ。など伺い、「まあ、なんてオシャレなのかしら」と、感動しました。

負けずにおしゃれなチキンのグリルともに味は上々で、後にお会いしたゲストも「あれは本当に、ご馳走でした」と感想を述べていました。

家族のような会員や、待っていて下さった地元の方々とふれあいながら楽しいひと時を過ごすことができました。
「むかわ木育の学校」は木育ファミリーにとって、ふるさとのような所だと感じました。
ただいま。私たちようやく帰ってきましたよ。
ちなみに木育ガレットのレシピはこちらです。

PDFはこちら
大人たちは校庭に出て、木育ランチの支度にかかりました。役場の方々もテーブルや椅子を用意するなどして手伝ってくださいました。前日は大雨が降っていたそうです。そう云えば途中の川がずいぶんと濁っていたのを思い出しました。役場の方々は、ロケットストーブとダッチオーブンを使った屋外調理の計画を聞いて、ずいぶん心配されたそうです。そのやさしい気持ちが通じたのでしょう。山々を覆う雲は低くグラウンドは湿っていましたが、雨は上がり空もだんだん明るくなっていました。

メニューはふたつ。チキンのグリルとそば粉のガレット。ガレットはそば粉で作るものを特にガレット・ブルトンヌといって、フランス・ブルターニュ地方の郷土料理だそうです。


ダッチオーブンで「ロースト・チキン」


ロケットストーブで「そば粉のガレット」
レシピは他記に譲りますが、教えて頂きながら、私も挑戦してみました。ミクニ・シェフは生地に落とした卵白を伸ばすそうだよ。など伺い、「まあ、なんてオシャレなのかしら」と、感動しました。

負けずにおしゃれなチキンのグリルともに味は上々で、後にお会いしたゲストも「あれは本当に、ご馳走でした」と感想を述べていました。

家族のような会員や、待っていて下さった地元の方々とふれあいながら楽しいひと時を過ごすことができました。
「むかわ木育の学校」は木育ファミリーにとって、ふるさとのような所だと感じました。
ただいま。私たちようやく帰ってきましたよ。
ちなみに木育ガレットのレシピはこちらです。

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木育ファミリー総会2022 報告 - 2022.07.19 Tue
去る6月25日に木育ファミリーの活動拠点であるむかわ町穂別の『むかわ木育の学校』で、2022年度木育ファミリー総会が開催されました。
昨年、教室の片付けがてら、様子を見に行ってはいるものの、毎年欠かさず行ってきた総会はもとより、その他の活動もコロナの影響で見合わせになり、実に3年ぶりの利用となっていましたが、役場の方々をはじめ地元の皆さまのおかげで、無事に当日を迎えることができました。
この日は、午前中に総会、その後、お子さん中心に参加された小さな手作りワークショップ、校庭に出てロケットストーブやダッチオーブンを使った、いかにも木育ファミリーらしいランチ会。楽しくておいしい歓談の後、再び教室に戻り、今後の活動等について会員の皆さんで話し合いを行いました。

午前10時からの総会の前には、むかわ町穂別総合支所の藤江支所長からの暖かいご挨拶をいただきました。
その後、前年度活動報告と会計報告が承認にされ、今年度の活動計画が話し合われました。2024年に北海道で木育が生まれて20年を迎えるにあたり、記念事業を含めた今後のファミリーの活動について、会員の「木育宣言」から今までをリレーエッセイで振り返る提案があり、根井会員がその叩き台を作ってくれているところです。

総会後は、教室内での木工ワークショップ「木育カフェ」と、野外での「木育ランチ」に分かれて準備しました。

ランチ後からの話し合いでは、木育ファミリーと道の連携のあり方について、もう一度意見交換しながら、協働のあり方や木育ファミリーがすべき木育の推進に向けた考え方などが必要ではないかという結論に達しました。
「木育ファミリースタイル」これは話し合いの中で提案された言葉です。
その内容はまだ、はっきりとしていませんが、木育の感性に従って「何か、とってもステキな感じ」に展開できそうです。
「木育カフェ」と「木育ランチ」の様子については、次回以降にゆっくりとご報告します。
昨年、教室の片付けがてら、様子を見に行ってはいるものの、毎年欠かさず行ってきた総会はもとより、その他の活動もコロナの影響で見合わせになり、実に3年ぶりの利用となっていましたが、役場の方々をはじめ地元の皆さまのおかげで、無事に当日を迎えることができました。
この日は、午前中に総会、その後、お子さん中心に参加された小さな手作りワークショップ、校庭に出てロケットストーブやダッチオーブンを使った、いかにも木育ファミリーらしいランチ会。楽しくておいしい歓談の後、再び教室に戻り、今後の活動等について会員の皆さんで話し合いを行いました。

午前10時からの総会の前には、むかわ町穂別総合支所の藤江支所長からの暖かいご挨拶をいただきました。
その後、前年度活動報告と会計報告が承認にされ、今年度の活動計画が話し合われました。2024年に北海道で木育が生まれて20年を迎えるにあたり、記念事業を含めた今後のファミリーの活動について、会員の「木育宣言」から今までをリレーエッセイで振り返る提案があり、根井会員がその叩き台を作ってくれているところです。

総会後は、教室内での木工ワークショップ「木育カフェ」と、野外での「木育ランチ」に分かれて準備しました。

ランチ後からの話し合いでは、木育ファミリーと道の連携のあり方について、もう一度意見交換しながら、協働のあり方や木育ファミリーがすべき木育の推進に向けた考え方などが必要ではないかという結論に達しました。
「木育ファミリースタイル」これは話し合いの中で提案された言葉です。
その内容はまだ、はっきりとしていませんが、木育の感性に従って「何か、とってもステキな感じ」に展開できそうです。
「木育カフェ」と「木育ランチ」の様子については、次回以降にゆっくりとご報告します。