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木になる木 -  2020.09.16 Wed

KEMさんの木育生活09

大手電機メーカーのCMで「この木、なんの木。気になる木・・・」というのが、長く続いています。
普段は気にとめずにいたのに、ある時からなんだか気になってしまうものがあります。
「樹が好き!」「木と仲良くなりたい」と思い、あらためて身の回りを見た時に、木で作られた木や、樹木と親しくなるための資料が多くあることに気づきました。

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この2本の樹は30年ほど前に、ロンドン郊外の英国王立キュー・ガーデンの売店で入手しました。キュー・ガーデンは、7万点以上の野生植物コレクションを誇るイギリスの由緒ある植物園です。園内の樹木は見上げるような大木が多く、本当に森のような雰囲気でした。
上はイングリシュ・パイン(松)で、下はチューリップ・ツリー(ハンテンボク)です。それぞれの木材は、この植物園のものを使っています。チューリップ・ツリーには「○○年の大嵐で倒れた樹です」と説明がついていました。厚さ2.5cmほどの板を切り抜き、部分的に彫りこみをいれただけの簡素なつくりですが、それぞれの樹木の雰囲気が良くでています。高さ20cmほど、全部で8種類くらいあったのですが、1個3000円位だったので2個だけ購入しました。

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次はドイツの伝統的なミニチュア玩具です。
木工旋盤で樹の形を削りだしたもので、両端の2本は旋盤加工してからノミで削る高度な加工技術が活かされています。木の頂上に鳥がついたものはバードコールで、幹の部分をまわすと木の摩擦で「キョツ、キョーツ」と鳥の鳴き声がします。(高さ7~14cm)

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これはカナダ製の自分で樹を育てるための「Tree Growing Kit」です。
台紙の右隅の四角いプラスティツク部分には、樹の種が入っています。
表側には、その樹の種類の説明が詳しく書かれ、裏側には具体的な発芽のさせかたが図入りで書かれています。
苗が5cm以上になったら、あなたの土地に植えてくださいなどと書いてあるのが、カナダ的と言うか?おおらかです。・・・200年成長するとの説明もありました!(8×13cm)

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こちらはアメリカ版。「Grow Your Own TREES -あなたの樹を育てましょう」という本と種のセットです。(13×25cm、Chronicle books刊12.95ドル)
厚紙のカバーのなかに、47ページの冊子と種の入った紙袋が付いています。種は11種類のミックスになっていて、それぞれの種と成長した時の様子が樹木図鑑のようになっています。
上のカナダ製と同様に、本気で樹を育てようとしていること、その樹によってもたらされる環境的恩恵をたいへん長期的な目で見ているところが、日本と違うように感じました。

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次は、「WHAT WOOD IS THAT ?」-木材からどんな樹木かを知る本です。(A5版、160ページ)
おもしろいのは、表紙の見返し部分に40種類の本物の木のジャバラ折見本が5ページ付いていることです。
この手の本はたいてい写真なのですが、薄い板でもやはり本物は香りと手触りがちがいます。

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最後は樹をテーマにしたトランプを紹介します。
上はイギリス、下はアメリカのものです。
両方ともトランプの一枚、一枚に美しい樹のイラストが描かれています。
おもて面のイラストの違いは、イギリス(上)の方が葉や実の拡大図が大きく名前に学名が付記してあること。このトランプならゲームに使わずとも、いろいろな樹木の絵を見ているだけでも楽しく過ごせます。
たとえば・・・
イギリス製
・スペードA「ダグラス・ファー」(モミ)
・ジョーカー「ノルウェー・スプルース」(トウヒ)と「キャベッジ・パーム」(ヤシ)

アメリカ製
・スペードA「ジャパーニーズ・ホワイト・パイン」
・ジョーカー「スコッチ・パイン」と「ホーンビーム」(シデ)

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木や樹木のことに興味がわいて楽しい時間を過ごしていると、それまで以上に木や自然に対する親しみや慈しみの気持ちがつよくなります。いろいろな経験をとおして「木が好きだから、木のことを知りたい」という気持ちが自然と芽生えることを願っています。


◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

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