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木育の種、咲かせた花〜第13回 木育ファミリーという「つながり」 -  2024.04.14 Sun

木育ファミリーは、なかなかユニークな集まりだと思います。
北海道の木育が生まれて今年で20年になりますが、同時に木育ファミリーも二十歳になります。
私たちは木育の普及推進という社会的目的を持ち、会員を募集して各種の活動をしてきました。会則を定めてやってきましたが、基本は「木育」という名前の家に集った「ファミリー(家族)」以外のなんでもありません。できる人が立候補で運営委員になり、その中でまとめ役になれる人が代表を務めてきました。社会的な信用を得て組織を大きくするためにはNPOや他の法人化というやり方もあったかもしれませんが、誰もそれを望まなかったのです。では何で、こんなにも長く活動を続けてこられたのでしょうか。それを問うと「木育するのが楽しいから」との答えが返ってきます。その楽しさの意味は人それぞれに違うと思いますが、一人じゃなく木育ファミリーでやる木育に価値があったのだと思います。

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【木育の誕生と木育ファミリー】
平成16年度(2004年度)北海道と道民による協働型政策検討システムにより「木育推進プロジェクト」が結成されました。この時携わった木育推進プロジェクトメンバー15名のうち約半数は民間や行政からの応募で、さらに事務局は知事政策部と水産林務部で構成されていました。ですからメンバーは所属や専門分野、年齢も考え方もじつに多様な顔ぶれでした。最初は各自バラバラだった「木育」のイメージが、半年間におよぶ熱い議論を経て、翌年3月に全国で初めて木育の理念として定義づけられ、北海道の木育が行政の取り組みとしてスタートします。
通常ならプロジェクトの完了とともに各自のフィールドに戻ってゆくはずのメンバーですが、有志11名が民間の立場で木育を推進するために集まりました。それが木育ファミリーの前身「木育をすすめる会 木育ファミリー」です。ここから「北海道と木育ファミリーのパートナーシップ(協働)」が始まりました。

【木育のめざす豊かな心】
木育では「木とふれあい、木に学び、木と生きる」というテーマや、「木育はつながりのキーワード」「あれも木育 これも木育」などのコピーからもわかるように、やわらかく包容力のある表現が使われています。これらは一見すると不明瞭でとらえどころがないと感じるかもしれません。ですが、自然界すべてのつながり、どんな小さなアクションでも木育になりうるという多様性をこめた言葉なのです。木育の目指す「豊かな心」はなかなか数値としては表せないものですが、これまでの実績をとおして確実に育まれていることでしょう。
初期の行政の取り組みとして、北海道は木のおもちゃで遊びを体感できる場を「わくわく木育ランド」と名付け全道各地で実施しました。民間の木育ファミリーでは、大きな木のテーブルのもとに家族が集うイメージを「木育リビング」という場に演出して、講座を開催するイベントを行いました。2004年秋に襲った台風18号で倒木した北大ポプラ並木の被害木を自分たちで加工して作った大きなテーブルを囲んで「木育体感講座」「お絵か木」「世界一のびる紙」「こどもを育む住まいづくり」「ペレットストーブ」など、当時としては先進的な内容だったと思います。

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わくわく木育ランド

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北大ポプラのテーブルを囲んで

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木育リビング

また、木育という新しい考え方の普及のためにシンボルマークとパンフレットに力を入れました。
木育が世に出ていく時にどんな服を着て何を伝えれば良いのかを考え、プロのデザイナーさんに木育の意義を説得して依頼しました。そうして出来上がったのが、木のタマゴから芽が出ているシンボルマークと「木育とは?」で始まるパンフレットです。道産間伐材配合の紙を使用して北海道と木育ファミリーの協働名で、なんと10万部も作成しました。それは北海道で生まれた木育をしっかり根付かせ、大きく育てたいという熱い想いの現れでもあったのです。

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木育普及パンフレット

【木育は心の森づくり】
その後は国の木育に協力して「赤レンガ木育フォーラム」をはじめ、2008年と2013年の2度にわたり北海道で「全国木育ミーティング」を主催するなど全国的な木育のつながりを大切にしてきました。
一般向けには「木育カフェ」として、復元された古代楽器の音を聞く、宮大工の技を見るなどを企画し、生木を人力で加工する技術「グリーンウッドワーク」による廃校活用にも力を入れました。最近では「大人の木育講座」などを通じて、木を学ぶ機会を設けています。

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赤レンガ木育フォーラム

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第1回全国木育ミーティング

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木育で廃校活用

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グリーンウッドワーク講習

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大人の木育講座

そして2021年秋に開催された「第44回全国育樹祭」の席では、『北海道生まれの木育』との言葉を来賓の方々はじめ全国の関係者からいただきました。特に北海道の「木育マイスター制度」は他に誇れる人材育成の手本として、これまでの成果とともに全国の木育活動の良きモデルとなっています。
木育は心の森づくりです。ここまで育った木育を底力として、いかに豊かな心を育み持続可能な社会をつくっていくかが、これからも課題です。

【新たな木育のステージへ】
これまで木育ファミリーは木育推進のための活動にさまざまな形で取り組んできました。北海道と木育ファミリーの協働のかたちは年月の経過とともに変わってきましたが、そこには北海道の木育推進における官と民のパートナーシップの原点がありました。2014年には「木育の10年をみつめて-木育next10」を赤レンガ庁舎で協働開催できたことは大きな成果と言えるでしょう。

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木育next10

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木育絵馬と記念撮影

じつは2024年に木育誕生から20年を迎える節目にあたり、当初から木育ファミリーがすすめてきた社会的役割は十分に果たしたので、ここで活動の区切りをつけようようとの意見もありました。ですが今後は、これまでとは違うネットワークでつながるような新しい木育ファミリーを目指そうということになりました。
これを機に、今年は木育の20年をみんなで楽しく実感し、今後の木育活動の励みとなるよう(仮称)「木育&木育ファミリー20周年イベント〜二十歳の木育」を企画しています。
「木育の原点から未来へ」新たなステージへ向かいましょう!

◆KEM工房主宰/木育ファミリー顧問 煙山泰子

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