『葉っぱのお弁当箱』デビューする - 2018.06.19 Tue
6月初めの週末に、北海道森と緑の会主催の「木育ひろば」にお招き頂き、木製パズル作りのイベントを実施しました。
ヤマザクラやイチョウなどの木の葉の形をした木片を木枠に嵌め込んだパズルに手製の図鑑を見ながら自由に色付けして、もう一度組み上げるというものでした。塗料は、和信科学工業さんの木工製品のための、ガードラックという製品を使いました。多色で子供にも塗りやすく、色味の良い、乾いたあとの発色も鮮やかな逸品です。
体験資材として考案し、『葉っぱのお弁当箱』と名付けましたが、何人かの知人に試して貰ったほかは、今回初めてのイベントデビューでした。

子供たちはどんな反応をするかしら? おとなの人もやってくれるかしら? ワクワクします。期待どおり、好奇心いっぱいの目に囲まれて始まりましたが、絵の具のビンを倒したり、付け過ぎて手や服をドロドロにしたりと、なかなかにぎやかな様子でした。初めて筆を握る子とお母さんの頷き合う眼差しも。子供たちって本当に色を選んだり塗ったりが好きなんだなぁって思いました。


さて、ここからがパズル遊びです。さっき自分で色付けして作り上げた10枚の葉っぱと2個のドングリを元あった木枠に収めるだけのこと。それも決まった形はなく、10人居れば10通りの完成にたどり着く不思議さ。中にはひとりで30通りの完成図を見せてくれた人まで居ました。(ずいぶん楽しみましたね?)
「このホオノキが大きすぎるんだよ」「わたしはイタヤカエデが入らない」
「カツドン(カツラのこと)はまれ!」
葉っぱの裏にある字を見ながら、ちゃんと名前も覚えてくれているようです。ところが最初入っていたはずの葉っぱは簡単には枠の中に納まってくれません。大きいのやデコボコのや長いのやら……。


「これ、ほんとうに入るのかい?」聞いたおとながいました。
「もちろん。必ず入りますよ」ニヤッとわらってうけ合いました。おとなはかえってむずかしいかも……。特別に頭を使って(よくよく考えて)入れようとするおとなの人が苦戦しているのを何度か見ているからです。
私たちはパズルのようなゲームをする時、何か必勝の法則があると考えがちです。この葉のギザギザとこの葉のカーブはぴったり合うように作られているに違いない、というように。角をキッチリつめて、すきまを作らないようにすれば上手くいくだろうと。
でも、まってください。そうした細部にとらわれて全体を見ていないことが、物事が円滑にいかない原因なのかも……。反対にこのパズルが得意な人たちもいます。でたらめに手を動かして、ものの5分であっという間に組み上げてしまいました。
「考えない。だって、入ればいいんでしょう。見たとたん、ああ、できるって思ったの」前者と後者はどう違うのでしょうか?
「直感みたいなものかな。私の場合、きっと感覚でやってるんだと思う」そう言ったのは日頃から五感を研ぎ澄ませている、芸術に携わっている人でした。私が必要だと感じたのは、こだわりをすてて、物事をさまざまな方向から考えなおすことのできる柔軟な姿勢でしょうか。どちらにしても、けっこう木育よりな感じになってきたかも?と、ウキウキしてしまいました。


子供もおとなも「できた、できない」と、わあわあ言い合いながら、楽しげにイベントは続いています。お弁当箱に詰まったそれぞれに個性的な葉っぱたちは、秋の林床のように、はなやかな広がりを見せて、目を楽しませてくれています。

「神の意図は計り難し」という言葉が思い浮かびました。自然は人の意図の及ばぬ世界です。このパズルの面白さもそこにあるのかな?と言ったら、このパズルを考え出したわが夫をほめすぎかな?と首をひねりました。
◆木育マイスター 齊藤 香里
ヤマザクラやイチョウなどの木の葉の形をした木片を木枠に嵌め込んだパズルに手製の図鑑を見ながら自由に色付けして、もう一度組み上げるというものでした。塗料は、和信科学工業さんの木工製品のための、ガードラックという製品を使いました。多色で子供にも塗りやすく、色味の良い、乾いたあとの発色も鮮やかな逸品です。
体験資材として考案し、『葉っぱのお弁当箱』と名付けましたが、何人かの知人に試して貰ったほかは、今回初めてのイベントデビューでした。

子供たちはどんな反応をするかしら? おとなの人もやってくれるかしら? ワクワクします。期待どおり、好奇心いっぱいの目に囲まれて始まりましたが、絵の具のビンを倒したり、付け過ぎて手や服をドロドロにしたりと、なかなかにぎやかな様子でした。初めて筆を握る子とお母さんの頷き合う眼差しも。子供たちって本当に色を選んだり塗ったりが好きなんだなぁって思いました。


さて、ここからがパズル遊びです。さっき自分で色付けして作り上げた10枚の葉っぱと2個のドングリを元あった木枠に収めるだけのこと。それも決まった形はなく、10人居れば10通りの完成にたどり着く不思議さ。中にはひとりで30通りの完成図を見せてくれた人まで居ました。(ずいぶん楽しみましたね?)
「このホオノキが大きすぎるんだよ」「わたしはイタヤカエデが入らない」
「カツドン(カツラのこと)はまれ!」
葉っぱの裏にある字を見ながら、ちゃんと名前も覚えてくれているようです。ところが最初入っていたはずの葉っぱは簡単には枠の中に納まってくれません。大きいのやデコボコのや長いのやら……。


「これ、ほんとうに入るのかい?」聞いたおとながいました。
「もちろん。必ず入りますよ」ニヤッとわらってうけ合いました。おとなはかえってむずかしいかも……。特別に頭を使って(よくよく考えて)入れようとするおとなの人が苦戦しているのを何度か見ているからです。
私たちはパズルのようなゲームをする時、何か必勝の法則があると考えがちです。この葉のギザギザとこの葉のカーブはぴったり合うように作られているに違いない、というように。角をキッチリつめて、すきまを作らないようにすれば上手くいくだろうと。
でも、まってください。そうした細部にとらわれて全体を見ていないことが、物事が円滑にいかない原因なのかも……。反対にこのパズルが得意な人たちもいます。でたらめに手を動かして、ものの5分であっという間に組み上げてしまいました。
「考えない。だって、入ればいいんでしょう。見たとたん、ああ、できるって思ったの」前者と後者はどう違うのでしょうか?
「直感みたいなものかな。私の場合、きっと感覚でやってるんだと思う」そう言ったのは日頃から五感を研ぎ澄ませている、芸術に携わっている人でした。私が必要だと感じたのは、こだわりをすてて、物事をさまざまな方向から考えなおすことのできる柔軟な姿勢でしょうか。どちらにしても、けっこう木育よりな感じになってきたかも?と、ウキウキしてしまいました。


子供もおとなも「できた、できない」と、わあわあ言い合いながら、楽しげにイベントは続いています。お弁当箱に詰まったそれぞれに個性的な葉っぱたちは、秋の林床のように、はなやかな広がりを見せて、目を楽しませてくれています。

「神の意図は計り難し」という言葉が思い浮かびました。自然は人の意図の及ばぬ世界です。このパズルの面白さもそこにあるのかな?と言ったら、このパズルを考え出したわが夫をほめすぎかな?と首をひねりました。
◆木育マイスター 齊藤 香里