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木育カフェ「白樺づくし」その1 -  2018.08.14 Tue

◾️樹皮の採取と処理の方法(講師:斎藤文美、香里 会員)

学校の敷地内にあるシラカバの木を使わせてもらい、樹皮採取の体験を行いました。
作業自体はそれほどむずかしいものではなく、おとなの手伝いがあれば小さな子供たちにも容易にできます。

【採取時期】6月末から7月初旬(その年の天候や地域により前後します)

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【剥がし方】
① ナイフで小さな四角の傷をつけ、剥がしてみて、使える材かどうかを確かめる。
② 良ければナイフを使って剥がしやすい長さに、一気に縦の傷を入れる。
(傷は思い切って深く切り込む)

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③ 傷の始まりと終わりに垂直に短い切り込みを入れる。
④ 縦長の切り込みにナイフの刃を滑り込ませ、樹皮と形成層の間を分けるように剥がしていく。
(このとき、形成層側に白く樹皮がくっついてくるようなら、その樹皮は使えない)
うまく剝がれるときは、ナイフを入れただけでなんとなく開いていく。樹皮細工の表面になるのは剥がした皮の内側。

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当日は連日の雨で採取できるか心配でした。幸い雨の切れ目で、足元は少々ぬかるんでいましたが、下草をきれいに刈っていただいていたので、問題はありませんでした。採取する木から、事前に採っておいたサンプルを見せながら、手順を一通り説明し、作業に入りました。数人のおとなと、子供たちが体験しました。

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子供たちの場合、おとながナイフで切り込みを入れて少し切り目を開いたところで子供と交代しました。通常のように幹に手を廻してはがすには子供の腕はみじかいので、皮のはじっこをつかんでそのまま幹の周りをぐるっとひと回り、まわってはがしてもらいました。
その得意そうな様子があんまり可愛いので、おとなたちはすっかり笑顔になりました。皮がはがれきって幹から離れると、まわりから拍手がおこりました。

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皮をはがすときのバリバリいう感触のおもしろさや、はがれた皮のきれいな金色、つるつるの幹に香る樹液のほのかな甘さ、ひんやりとした肌触りは、おとなも子供も、思いがけない体験だったようです。

【樹皮の処理】
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白樺樹皮は薄い皮が何層にも積み重なっているので、使用目的によって理想の厚さに剥ぎ落としていく。
うまく剥がれないところは、先の尖った薄刃のカッターナイフを差し込んで、皮を起すようにすると良い。
保存する時は、乾燥を防ぐため裏面に蜜蝋ワックスを擦り込み、平らになるよう重しを乗せておく。

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採取後、教室にもどって必要な道具の紹介と、樹皮の処理の仕方を実演しました。子供さんが採った樹皮をカップホルダーの材料にと、樹皮処理したお母さんもいました。
最後に、むかわ町さんには材料の木を提供いただき、ありがとうございました。採取できた皮は、厚さも色の白さも油分のまわり方も、申し分のない良材でした。

【蜜蝋ワックスの作り方】PDFは、こちら

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