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私のブナと生きる -  2020.04.12 Sun

KEMさんの木育生活04

わたしの家には、ブナの木が二本あります。
自生するブナの北限は北海道南部の黒松内付近ですから、札幌ではあまり目にすることがありません。ブナはその雄大で美しい姿から「森の母」「森の女王」などと呼ばれます。

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これを植えたのは、三十数年前に自宅を建てた時のことです。一年を通して、大好きなブナの移り変わりを近くで見ていたいという私の片想いのようなものでした。森で生きるのがふさわしく市街地の狭い庭に納まるような木ではないのですが、何も知らなかった私の身勝手でそうしたのです。
新築時の写真を見ると、大人の腕ほどの太さのブナと、クリスマスツリーのようなプーゲンス・トウヒが可愛らしく交互に並んでいます。

20200402のコピー

それは、幼い子どもを育てながらモノづくりに励んでいた日々を思い出させます。
年ごとに美しい黄緑色の芽吹きと黄金色の落葉を繰り返すブナに、見守られ励まされてきたように感じる懐かしい時間です。月日は流れ、今では私のブナも胸高直径50センチ余りの大きな木に育ちました。たぶん樹齢50年位にはなっている木との暮らしは、なかなか大変なこともあります。木が大きくなるほど、数年に一度の剪定作業には手間と費用がかかります。街路樹の剪定のように機械で丸坊主に刈るのは心が傷むので、十年ほど前の三月にはツリーイング(木登り)と手ノコで剪定をしてもらいました。直径10センチほどの材が数本出たので何か記念になるものにしたくなり、生木を手工具で加工するグリーンウッドワークで幼児用の椅子を作りました。ゴッホの絵に描かれた素朴な民芸椅子の小型バージョンで「ちびゴッホの椅子」と名付けました。

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秋になって黄色く色付いて行くブナの葉はみごとに美しいのですが、落葉の時期になると次の作業が待っています。何しろブナの葉は特徴的なので、近くの公園のものとは違うのがすぐにわかります。道路側に落ちた枯葉を掃き集めながら、強い風が吹くたびに庭の内側に落ちて積もるのを願っています。
四年前の三月には、それぞれの木の直径30センチほどの太い枝を伐りました。まるで自分の片腕をなくすようで心が痛んだのですが、先々のことを考えてそのようにしました。

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その後も数年ごとに剪定しては、キャンドル・スタンドやスプーンなどを作っています。そう言えば最初にブナの枝を使ったのは、トナカイのツノでした。

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こんな風に、私のブナとの共生は続いています。
この先どうなるのかはわかりませんが、風に揺れる枝先を見ていると・・・いつかブナの棺で眠りたいなどと空想したりもするのです。



◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子 

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