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木を描く -  2020.10.14 Wed

KEMさんの木育生活10

「この木、いいな」「この葉、キレイだな」と感じて記録に残したいと思った時、多くの人は写真に撮るのではないでしょうか。いつも身近にスマホやカメラがあるので、手軽にその瞬間を画像に留めることができるようになりました。
でも、じっくり木に向き合って「描く」のはまた格別の楽しさがあります。
木の幹や枝のつき方、樹皮や葉っぱの質感、木の全体を見ていると根の張り具合まで観察するようになるのです。よーく見つめていると、なんだか木の声が聞こえてくるような気さえします。
ゆっくりとそんな時間を味わいたくて、今年は年間10本の木を描こうと意気込んでいたのですが・・・まだ2本だけしか実現していません。それは自宅のブナと、初めて出会ったタマリンドの木です。

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実際に描いているのは一時間ほどなのですが、なんとも言えず心豊かなひと時でした。
ですが・・・実際に用具を揃えてスケッチするのは手間もかかるし、ハードルが高いと感じる方には「フロッタージュ(こすり描き)」をお勧めします。

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フロッタージュ(frottage:仏)とは、デコボコのあるものの上に紙を置き、鉛筆などでこするように描くことで対象を写し取る技法で、フランス語の「frotter(こする)」に由来します。
使用する紙は、比較的薄くて柔軟性があり、こすっても破れにくい上質紙や薄い和紙などが適します。私がよく使うのは昔の学校で使われていた「わらばん紙」で、鉛筆、コンテ、クレパスなど適度な硬さを持つ画材でこすります。これなら身近な木の葉や板を使ってすぐに描けますし、木育のプログラムにすることもできます。

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私が津別町でやっている木育授業では、最初に説明をしてから木の葉採取に出かけ、葉の裏側を使ってこすり描きします。目で見ていた時とは違う繊細な自然の造形が、紙の上に現れます。
自分のセンスを生かして自由にやっているうちに、だんだんと熱が入り力作に!それぞれの個性あふれる作品ができました。最後に葉の名前や特徴、場所と日時も入れると採取記録にもなります。

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自分の手で描く楽しさに目覚めたら周囲を見る目が変わって、なんでもこすり書きしたくなりました。
こんな風に、ナラの古びたフローリングもアート作品のようです。

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◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子 

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