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サンドペーパーのこと -  2020.11.16 Mon

KEMさんの木育生活11

木でものづくりする時、作品の完成度に差が出るのが仕上げです。木材の素材感を活かし、長く愛着を持って使うため、2回に分けてサンドペーパーとオイル仕上げについてお話します。

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木工の「陰の功労者」と呼べるのが、サンドペーパー(研磨布紙)です。
切ったり、削ったり、組立てたり・・・これらの加工の次には、かならずお世話になりますね。
研磨布紙の始まりは、12世紀頃より乾燥した鮫皮でものを擦り磨いていたようで、13世紀になると中国では貝殻をゴム質樹液で羊皮紙や皮につけて使っていたとのこと。
現在は、貝殻は人工研磨剤へ、ゴム質樹液はニカワ、レジンへ、羊皮紙は紙、布へと発展して多様な製品が作られています。
市販の紙やすりは研磨剤の粒子の粗さで分けられ番手で表示されます。
実際の木工に使う目安としては、おもに80~400番を用途に合わせて使います。
また、機械サンダーより手作業の方が番手の細かい物を使った方が良いでしょう。

 80番~100~120番(荒い)・・・サンダーによる粗削り、形の成形、荒肌仕上げ
 180番~240番(中くらい)・・・・素地の仕上げに最も良く使う。
 320番~360~400番(細かい)・・・・塗装前後の調整
 600番~800~1000番(ごく細かい)・・堅木の超仕上げ、塗装後の表面みがき
 ※裏が黒い油紙のものは、水/油砥ぎ用です

平面を手でかける時は、基準面ができるようにキャラメルの箱くらいの木片に紙やすりを巻きつけて使います。荒いペーパーで乱暴に磨いたキズは、意外と残るので木目に沿って均等にかけてください。
昔からある薄茶色の紙やすりは、研磨材に天然のガーネットを使っていますが、表面が白色のものは、目詰まり防止剤を塗布してあります。こちらの方が断然よく削れます。また、ベルトサンダーのベルトも、従来の茶色のアランダム(褐色酸化アルミナ)から、最近のセラミック砥粒のものまでいろいろと進化しています。

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究極にエコなのは植物の研磨材で、木賊(トクサ)と椋(ムク)の葉です。ムクノキは関東地方以西の温暖な地域に生育する落葉高木で、別名ムクエノキとも呼ばれ、ケヤキやエノキと同じニレ科の樹木です。トクサは北海道でも身近に見られる植物で、アイヌ語では「シプシプ」と呼びます。いずれも採取後に陰干しして、トクサはそのまま、椋の葉は破れ易いためガムテープなどで葉の表を裏打ちし、ザラツキの強い葉の裏を研磨に使います。ザラザラはトクサと同様に、植物の表面がケイ酸質の物質で覆われているからです。つまり自然が作ったサンドペーパーです。爪切り後の先端をなめらかにすることなどもできるので機会があれば試してみてください。

ところで、紙やすりは使い捨ての消耗品だと思っていませんか?
数回使ったものでも、表面についている削りカスを払えば、少しソフトな細かいものとして曲面の磨きや、塗装前の仕上げに使えます。また、プラスチック、陶器や金属も削れるので、買ったばかりの陶器の裏のザラザラ取りなど日常にも利用できます。しかし、素材を削り取ってしまうので表面処理してあるものは注意してください。また、健康のために削りかす(粉)を吸い込まないよう気をつけましょう。



◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

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