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簡単なオイル仕上げについて -  2020.12.15 Tue

KEMさんの木育生活12

木工品の最後の仕上げ(塗装)のお話です。削ったり、サンドペーパーがけしたものを白木のままで使うのもいいですが、ほこりが付きやすく汚れが染み込むのが気になります。ですから、市販の木製品の多くは塗装で仕上げられています。
DIYの分野では最近、安全性や作業時の健康に配慮した植物オイル系の自然塗料に関心が高まっています。市販の自然塗料には乾きが早く塗膜が強い、アマ二油が主に使われています。健康とエコロジーの思想から生まれた製品で、ドイツからの輸入品が多いのですが価格が高いのが難点です。
そこで身近にあるオイル素材の中から、仕上げに使えそうなものを試してみました。安全性については食品用オイルとして販売されているものなので大丈夫でしょう。賞味期限が過ぎていても問題ありません。

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最近の食品売場には植物性オイルがいろいろと揃っています。おすすめなのは、エゴマ油、アマ二油、ベニバナ油。ヒマワリ油も使えますが、少し乾くのが遅いようです。クルミ油も使えますが、クルミはナッツのほうが身近です。むき実を布に包んでハンマーで潰し、にじみ出た油で拭きます。
これらは乾性油(空気中の酸素の酸化重合で固まる)で、不乾性油のゴマ油、オリーブ油、菜種油、ツバキ油等は塗装にはむきません。

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植物性オイルの使い方は、いたって簡単!! 塗って拭くだけです。
削ったり、サンドペーパーがけした素地がそのまま残りますので、仕上げは丁寧にしてください。塗ってから2~3分置いて、布でよくふき取ります。
表面にしみこむだけですので、一回では濡れ色程度の仕上がりですが、乾いてからくり返せば濃くなります。また、何年も経つうちに、だんだんと良い色になって行きます。
完全に乾かないうちは、油ジミが付くことがありますので注意してください。
参考に、オイルに蜜蝋を混ぜた「蜜蝋ワックス」の作り方を紹介します。

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わたしは自宅のカッティング・ボードを毎年一回、紙やすりをかけてからオイルを塗って使っています。
汚れ止めになりますし、何度も手をかけるほど道具への愛着もわいてきます。

今年の1月から連載してきた「KEMさんの木育生活」は、これが最終回となります。木工デザインが本業の私の日々の生活や楽しみ、木育を通して出会った人々との思い出を綴りました。
これらが「あれも木育 これも木育」の一例として参考になれば幸いです。ありがとうございました!

     

◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

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