樹木医は、人間のエゴイズム - 2021.12.14 Tue
木育異端児の天声樹語(5)
肩書は時として
物事の見方を偏らせる。
一般的に樹木医になる人は
造園業か林業に携わっており
仕事の一環として資格を取得する人が多い。
当然、樹木を主体として考える。
わたしの場合は
趣味の延長として資格を取得。
植物を好きになって
いろいろと調べれば調べるほど
≪共存、共栄、調和≫の
生き方を知り
教科書では教えてくれない
輝かしい食物連鎖に感銘を受けた。
だから考え方は、全体観。
この違いで
樹木の病気に対しても
≪ミカタ≫が変わる
樹木が寿命を迎えるとき
大半は≪腐って枯れる≫
幹が徐々に腐っていくことで
・生理機能が衰え、生命維持ができなくなる。
・幹が脆くなり、強風によって折れる。
このようにして死んでいく。
≪腐る≫というのは
木材腐朽菌という菌(キノコ)が
樹木に感染し(棲みつき)
幹(木材の部分)を分解していくことである。

白いキノコ「サンゴハリタケ」
つまり
キノコが樹木をエサにして
繁殖しているということ。
樹木が枯死する病気は
≪他の生物≫によるものだということ。
人が病気で死ぬときは
自分の細胞が、ガン化したり
食生活が原因で血管がつまったり
ほとんど≪自分が原因≫
そして、治療するか否かは≪本人の意思≫
この違いの真意を
樹木医は理解しているだろうか。
街のサクラを診て
腐ったところ取り除いて
殺菌剤とかで薬漬けにして
花をキレイに咲かせて
『 すごく良いことをした!』
などと思うのは人間のエゴでしかない。
サバンナでシマウマが
ライオンに襲われそうだから
ライオン追い払って
『 すごく良いことした! 』って
思えるだろうか?
お腹を空かせて待つ
仔ライオンのことは、どう考えるのか?
樹木医の仕事は、人のエゴで
食物連鎖に介入していることを
認識しなければならない。
この理屈を説明しても
往々にして年配の人は理解しない。
木材腐朽菌=悪い菌
人のため=良いこと
このような、物事の見方しかできない。
この世に
良い悪いは無い。
ただ存在し、ただ生きているだけ。

黒いキノコ「モミサルノコシカケ」
わたしは
樹木の治療を悪いことだと
思ってはいない。
人の安全を優先するために
伐採の判断をすることもあるし
癒しや、心の拠り所として
樹木を育むのも大切なこと。
文明社会で生きる限りエゴは付きもの。
わかってもらいたいのは
人間のエゴで
お金を稼がせてもらっていることを
認識できているかどうか。
これが、わからないと
肩書を笠に着て、勘違い発言をする
≪造園屋のお医者さんごっこ≫
に、なってしまう。
私たち人間も、自然の一部
決して傲慢になってはいけない。
◆木育マイスター デニーロ石谷
肩書は時として
物事の見方を偏らせる。
一般的に樹木医になる人は
造園業か林業に携わっており
仕事の一環として資格を取得する人が多い。
当然、樹木を主体として考える。
わたしの場合は
趣味の延長として資格を取得。
植物を好きになって
いろいろと調べれば調べるほど
≪共存、共栄、調和≫の
生き方を知り
教科書では教えてくれない
輝かしい食物連鎖に感銘を受けた。
だから考え方は、全体観。
この違いで
樹木の病気に対しても
≪ミカタ≫が変わる
樹木が寿命を迎えるとき
大半は≪腐って枯れる≫
幹が徐々に腐っていくことで
・生理機能が衰え、生命維持ができなくなる。
・幹が脆くなり、強風によって折れる。
このようにして死んでいく。
≪腐る≫というのは
木材腐朽菌という菌(キノコ)が
樹木に感染し(棲みつき)
幹(木材の部分)を分解していくことである。

白いキノコ「サンゴハリタケ」
つまり
キノコが樹木をエサにして
繁殖しているということ。
樹木が枯死する病気は
≪他の生物≫によるものだということ。
人が病気で死ぬときは
自分の細胞が、ガン化したり
食生活が原因で血管がつまったり
ほとんど≪自分が原因≫
そして、治療するか否かは≪本人の意思≫
この違いの真意を
樹木医は理解しているだろうか。
街のサクラを診て
腐ったところ取り除いて
殺菌剤とかで薬漬けにして
花をキレイに咲かせて
『 すごく良いことをした!』
などと思うのは人間のエゴでしかない。
サバンナでシマウマが
ライオンに襲われそうだから
ライオン追い払って
『 すごく良いことした! 』って
思えるだろうか?
お腹を空かせて待つ
仔ライオンのことは、どう考えるのか?
樹木医の仕事は、人のエゴで
食物連鎖に介入していることを
認識しなければならない。
この理屈を説明しても
往々にして年配の人は理解しない。
木材腐朽菌=悪い菌
人のため=良いこと
このような、物事の見方しかできない。
この世に
良い悪いは無い。
ただ存在し、ただ生きているだけ。

黒いキノコ「モミサルノコシカケ」
わたしは
樹木の治療を悪いことだと
思ってはいない。
人の安全を優先するために
伐採の判断をすることもあるし
癒しや、心の拠り所として
樹木を育むのも大切なこと。
文明社会で生きる限りエゴは付きもの。
わかってもらいたいのは
人間のエゴで
お金を稼がせてもらっていることを
認識できているかどうか。
これが、わからないと
肩書を笠に着て、勘違い発言をする
≪造園屋のお医者さんごっこ≫
に、なってしまう。
私たち人間も、自然の一部
決して傲慢になってはいけない。
◆木育マイスター デニーロ石谷