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木育(プレ)カフェの報告 -  2020.03.17 Tue

木育ファミリー会員とその家族、職場つながり有志の計6名でべんがら(弁柄)染めを体験してみました。弁柄とは土から取れる成分を主とする顔料です。「古色の美」という染料店で弁柄染めの体験キットが販売されており、これを使えば水で溶いて絵の具のように使え、比較的簡単に染めることができます。

202003べんがら

草木染めが材料を集めてコトコト煮出したり、色を定着させるための処理が必要なことに比べると、水だけで行うことができ、取っつきやすい染め物と言えそうです。
この日は、弁柄顔料の体験キットと下染め剤につけておいたサラシを用意し、思い思いの模様を描いていきました。絵筆で直接デザインを描いていくこともできますし、板締め絞りという木の型に折りたたんだ生地を挟んで、模様を出すことにも挑戦しました。同じ形をした木の型に生地を挟み、クランプなどで強く固定すると、挟んだ部分だけは顔料が染まらず連続する模様を描けます。
色は優しい暖色が多く、茜、冬桜など色の名前も美しいです。カレーの発色スパイスのウコンは鮮やかなイエローが出ます。きりりと締まる藍を加えると、パレットの色彩にも幅が出て、色々な作品ができそうでわくわくします。
べんがら染めは、今年の木育ファミリーの活動として皆様にも参加してもらえるような形を考えています。
楽しみにしていてください。

ミモザの魔法 -  2020.03.17 Tue

KEMさんの木育生活03

2月末から3月にかけて、花屋さんで「ミモザ」の明るい黄色を見つけると春の訪れを感じます。
私はこの花の愛らしい黄色のポンポンを見ていると、なんだか心がウキウキしてくるのです。ヨーロッパでは、日本の桜のように春を告げる花として親しまれているそう。

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ミモザはマメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称で、銀葉アカシアやフサアカシアをさし、オーストラリア原産の常緑高木でいずれも生長が非常に早く樹高が10m以上にもなります。2月~4月の花の時期には全体が黄色く染まるほど、黄色い小さな花が集まった房状の花を咲かせ芳香を漂わせます。
関東以南では、公園や街路樹としても植えられているとのことですが、北海道では見られないのを残念に思っていました。ところが去年の春、札幌北区の百合が原公園の大温室のシンボルツリーがミモザであることを知り、すぐに訪ねたところ高さ6メートルほどの木が黄色の花で満開でした。

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百合が原公園大温室のミモザの木(2019)
今年は新型コロナウイルス感染防止のため3月19日まで休館です。

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3月8日は「ミモザの日」、イタリアでは日頃の感謝を込めて男性から女性へミモザの花を贈る習慣があります。そしてこの日は「国際女性デー」、1975年に国連が制定した女性の政治的自由と平等を訴える日のシンボル・フラワーでもあります。国際女性デー2020のテーマは「平等のための1人」。平等という言葉の意味は奥深いですが、誰もが自分らしく誇りの持てる生き方ができるようになればよいと思います。
いま人類は新型コロナウイルスという目に見えない脅威にさらされ、その不安が社会や経済に混乱を招いています。自然界の中で人間はまだまだ無力な部分があることに気づかされました。
もしも私に魔法の力があったなら・・・「世界中の新型コロナが、一晩で全部ミモザの花に変われ!」と叫びたい気持ちです。


◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

炎のある暮らし -  2020.02.16 Sun

KEMさんの木育生活02

我が家の暖房を薪ストーブに変えてから4回目の冬を迎えました。「炎のある暮らし」と言えば素敵に聞こえるかもしれませんが、その実態はけっこう手間のかかることも多いのです。ここに至るまでの経緯をお伝えしたいと思います。

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まず平成元年に建てた我が家は、札幌豊平区のオール電化住宅(工房付き2世帯住宅)で、建築家の夫と木工デザイナーの私にとって夢の実現と他人の家ではできない実験の場所でした。当時のバブルな社会では、クリーンで安全な暮らしのシンボルが電気だったのです。その恩恵を受けて、私は家事をこなし二人の幼い子どもを育てながら木工作業をする時間を生むことができました。そうして一度も停電を経験することなく数十年が過ぎ、親は亡くなり子どもは成人して家族のカタチが変わりました。

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また社会の価値観も「省エネでエコな暮らし」が優先されるようになり、自分たちの生活も変えよう!と、暖房を薪ストーブにしました。振りかえると私が育った昭和の北海道の冬は、どこの家でも石炭か薪のストーブが部屋の中心にあり、ヤカンや鍋が湯気を上げる中で温かな空気に囲まれていました。背中側は寒いので、時々体の向きを変えながら過ごしたことが懐かしいです。そんなノスタルジックな思い出に浸りながら、おしゃれな薪ストーブ屋さんで選んだのはノルウェー製の鋳物ストーブで、大きめのガラス窓から炎が見られる素敵なものでした。なるべく設置費用がかからないように自分たちで既設のコンクリート煙突につなげました。この煙突は災害用のために新築時に打ち込んでおいたもので、それが役に立ちました。

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こうして始まった薪ストーブ生活ですが、次々と予想外のことが起こります。
朝は火をつけるための準備が大変で、焚付けの用意と薪運びは毎日のこと。思っていたよりも薪は早く燃えるので、いつも薪の補充に気を遣い、ヤカンの水を足し、灰を捨て、適温で燃焼させます。近所のお宅に迷惑がかかっていないだろうか?と・・・スローライフは思っていた以上に忙しいのです。

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そして2年目の夏には、幅4軒の薪置き場をDIYで作りました。グリーンウッドワークの削りカスは素晴らしい焚付けになりますし、白樺細工や木工の木クズも無駄なく燃やせます。灰は庭に撒いて肥料に、知恵と工夫でだんだん楽しくなってきました。主燃料の薪は授産施設から購入しています。1立方メートル2〜2.5万円ほどなので、自宅や友人宅の剪定枝も大事な副燃料。夏の間の煙突掃除も欠かせません。プロに頼めば「ん万円」ですが、時間と手間をかけることで節約できます。それでも札幌の住宅地ではやはり費用はかさみますし、夫と私の仕事場と住宅を兼ねているからこそできるライフスタイルです。最初は深く考えずに始めた薪ストーブ生活ですが、いろいろと気づくことも多く室温は20度前後、湿度も50%を下回らないので植物も生き生きしています。

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なにより「炎を眺める時間」は不思議と心が落ち着くのです。一日のこと、一年のこと、一生のこと、太古から人は火を見つめて考えてきたのだろうなと。


◆KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

餅つきの文化 -  2020.02.16 Sun

根井さんのもくいく育児日記44

娘の保育園では、日本の文化、風習を大事にしていて、日常の遊びにわらべ歌を取り入れたりしている。その中でも、大切にしている年中行事が12月に行う餅つきだ。

202002もち

この日は、保育園に親が招待されて、年長さんがハッピを着て餅つき囃子を披露する。「大杵」、「小杵」、「合取り(杵でつく間に餅の方向を変える合いの手役)」、「歌」に分かれて、大きな臼の回りで6才児が踊りを見せてくれた後は、先生方による本番。実際に餅米を入れて、餅つき囃子にのせて餅をつき、最後はみんなにお雑煮でふるまってくれる。
ハッピを着て餅つき囃子を踊る年長さんや、普段と違う先生方の姿は、下の子たちには憧れらしく、きらきらした目で餅つきを見学した後、「来年は私が合取りをやるんだ!」と決意表明をしていたりする。
餅つきは昔はもっと身近な存在で、収穫の感謝、大漁のお祝い、子どもの誕生日などにも行われていたそうだ。多くの家に杵と臼があって、炊き立ての餅米がおもちに変わっていく様子を、子どもたちはやっぱりきらきらした様子で見ていたに違いない。
今は、お正月くらいしかおもちを口にする機会が少なく、餅も既製品を買ってしまうけれど、餅つきを子どものときに体験できたことは、食育と木育、日本の文化を次世代につなげていくために大事な思い出になっていくように思う。


◆ 石狩振興局/木育ファミリー運営委員 根井三貴

木のネズミ -  2020.01.10 Fri

KEMさんの木育生活01

北海道の木育のテーマ「木とふれあい、木に学び、木と生きる」は、私たちが日々の暮らしや営みの中で木や森をどのように考え、行動するかを大切にしています。私自身が木育の普及活動をすすめながら、木工デザインの仕事を通して生活の中で感じたり考えたりしたことを『KEMさんの木育生活』として連載したいと思います。タイトルの「KEMさん」は、私(煙山泰子)のニックネームです。よろしくお付合いください。

第1回は、新年の干支にちなんで木製のネズミを紹介します。

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自作の「木ネズミ」

KEM工房の資料室には、木の動物が多数あります。私が最初に出会った干支の木彫は、小さな杉箱に納まってミニお札と説明文が付いていました。蓋には墨で年号と「神宮えと守」の文字に朱印が押され、木彫にも「神宮」の丸い焼印がついています。説明書には「これは・・・神域の楠(クス)材をもって 神宮彫刻師が謹刻して 和平安穏、多幸多祥の祈祷をこめたものであります」とあります。
どこか有名な「○○神宮」の干支彫りなのだろうと思い所在を調べたのですが、その時は判りませんでした。
数年後、はじめて伊勢神宮に行くことになりホームページを検索していたら、ここの正式名称は「神宮」で、毎年正月に干支守りを授与しているとのこと。

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左より、昭和35年、47年、59年、平成8年の干支守

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伊勢一刀彫りは、いにしえより20年ごとに行われる伊勢神宮の式年遷宮の造営に携わる宮大工の余技としてはじめられたもので、檜(ヒノキ)や楠(クス)の直方体をノミや彫刻刀で荒彫りしたもので、干支守りの授与は昭和24年(1949)丑歳より始まったそうです。
干支は古代中国で生まれた陰陽五行説が基になっています。自然界のすべてのものは「陰」と「陽」の相対するもので補い合って存在し、それは五つの要素(五行)「木・火・土・金・水」で成り立っているというもの。このような宇宙観や自然観によって考え出されたのが「十干」(じゅっかん)と「十二支」(じゅうにし)です。
◎「十干」甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、己(つちのと)、戊(つちのえ)、辛(かのと)、庚(かのえ)、癸(みずのと)、壬(みずのえ)
◎「十二支」子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥
この「十干」と「十二支」を順番に組み合わせたものが、その年の干支になります。同じ干支は60年ごとにめぐってきますから、自分の生まれた干支が二度目にくるのが還暦になります。一年を通じて日常生活に、さまざまな宗教的行事や慣習が共存していることが、現代的な日本文化の姿でしょう。そして良くも悪くも、これが今の時代の「日本らしさ」なのかもしれません。

ここからは、歴代の神宮ネズミや仲間達を紹介しましょう。

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昭和35年(庚子)のネズミはヒノキ材で綺麗な削り目の写実的表現。次の昭和47年(壬子)からはクスノキ材です。荒い面取りでネズミが立ち上がった姿でしょう。

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昭和59年(甲子)は、おとなしい印象で、平成8年(丙子)はモダンで元気なネズミに見えます。平成のものは、箱を開けるとまだクスノキの爽やかな香りが残っています。クスノキは樟脳(しょうのう)の原料です。北海道には生育しませんが、九州に行ったときには各地にクスの巨木がたくさん観られました。
伊勢のものは、昔から現代のものまで、のし紙や箱と紐、お札、説明文にまで金属釘やテープ、ビニール紐などが一切使われていないことに好感がもてます。

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シッポの長い「コロ・ネズミ」と昭和59年の年賀状に入れた「コルク・ネズミ」

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ヨーロッパのおもちゃ、赤いネズミのマグネット

令和2年、今年の干支は「庚子」(かのえ・ね)です。ネズミは、その繁殖力にちなみ「子孫繁栄」の象徴ともされています。
どうぞ良い年になりますように!


◆ KEM工房/木育ファミリー顧問 煙山 泰子

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